御坂山塊西部
(山梨県:毛無山・十二ヶ岳・節刀ヶ岳・鬼ヶ岳)
2004,2,8
やはり今年も山に登ることにした。撮るものは何でもいいのだが、やはり山に登って眺める景色はとても気持ちがいい。そんなわけで2004年初の山登りである。1月は東京に散歩写真を撮ったため山登りはお休みにした。外に出かけての撮影は月一回が基本である。それ以上の家庭放棄はまずいし、何よりお金が続かない。だから登る時は基本的に「いい天気」であってほしい。今回は富士山が見たかったので晴れの日を選んだ。月一回の遠征がまるっきり霧の中で冴えませんでした、じゃ悲しいではないか。
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今回のターゲットは富士山の北方、西湖の北に屏風のように連なっている山々である。地図によると駐車場から1時間ちょっとで一段落できると踏んだのでそこを選んだ。とにかく登る時間は短いに越したことはない。いろいろと山の名前が並んでいるが、今回登る山で一番高い山は鬼ヶ岳(1738m)という山である。
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例によって深夜発。日の出を山頂付近で迎え撃つためである。山中湖の電光表示で「−12度」を見た時には車から降りたくなくなったが、ためしに富士吉田のコンビニに立ち寄って降りてみた。
「さみー」速攻で頬がこわばり、鼻の奥が痛くなった。こんなんで山登りか…。と意欲が減退していくのがわかる。登り始める時は最近こんな感じである。本当に山登りが好きだという人種ではないだろう。
河口湖の南岸沿いに西湖へと向かう途中に「毛無山登山口駐車場」があるのだが、ショベルカーなどが止まっていて「あれ?」と思った時には文化洞トンネルを抜けて西湖に着いていた。戻ってみると駐車場は工事中で堆くなった土砂の傍らに停める羽目になった。まあ休日なのでこれらの重機が動き出すことはないだろう。
(駐車場のように見えない)駐車場は雪が積もってガチガチに凍っていた。これは臨むところで買ったばかりのアイゼンを試そうと思っていたので早速装着、寒いから嫌だなーと感じていても10分も登れば汗ばむのもいつものことなので、要は「最初の一歩」を踏み出す意気である。そうして駐車場を後にした。時に4時20分。
駐車場から少し登ると雪がなくなった。「なぜ?」と思い、登っていく斜面を見るとここは南斜面、アイゼンまでつけているのに「なぜ、いきなり雪がなくなる・・・」という状況になった。しかし、せっかく装着してので「練習練習」と割り切ってざくざくと霜柱が立つ道を登って行った。
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1時間も登れば背後には月光を浴びた富士がのしかかるように聳えていた。「ここでも結構見られるなー」と左手に河口湖が長く延びてさらに富士吉田の町の灯りがきらめいている。午前5時35分、日の出前に毛無山山頂(1500メートル)に立つ。ここに来るまでに体は温まっているので氷点下は確実だろうが思ったほどの寒さは感じなかった。富士との間にある紅葉台の山並みはうっすらと白い。こちらに向いている面が北面なので雪が残っているというわけだ。自分の立つ山頂から北側を覗いてみるとやはり毛無山も雪は積もっていた。
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写真は毛無山から見た「月と十二ヶ岳」。なかなか風流な画(?)ではないか。登山中はヘッドランプはもちろん点けていたが、この月明かりも夜目に慣れればなかなか明るいものだった。十二ヶ岳はこれから行く山である。この時点ではそれまでの道程が(私にとって)困難なものであるとは予想だにしなかった。
この山頂ではつごう1時間の大休止。黎明の富士ならびに河口湖の夜明けを撮ることができた。
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| 夜明けの河口湖。日の出の場所は御正体山(懐かしい)あたり。 | 夜明けまでは、くっきり富士山。 |
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夜が明けて、改めて十二ヶ岳を望む。これは三ヶ岳を通過したあたりのもの。ここに来て十二ヶ岳の概念がつかめてきた。つまりはこのような小さな峰が河口湖方面から西湖方面に十二あるということらしい。こんな写真を撮っている間は「こんな小さなアップダウンなら思ったより早い時間には着きそうだ」などと考えていた。
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そうは言っても毛無山から十二ヶ岳までは確実に標高は上がる。と、言うわけでここにきて雪の出現である。日が当たっている場所でも登山道に5センチから10センチ近く積もっている。アイゼンが小気味よく雪面に食いこむ。いいぞいいぞという感じ。
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「何だかアップダウンがきつくなってきた…」と十ヶ岳に至るまで感じていたが、この十一ヶ岳の登りもなかなかだった。十本爪のアイゼンでなければ、「どうやって足がかりをつけるのか」という場所もあり、まさに力強い装備であることを実感した。
そして写真の十一ヶ岳。目の前には一段と高い十二ヶ岳が聳えている。まあ、クライマックスといった舞台設定ではあった。
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十一ヶ岳の高さから十二ヶ岳に登れれば何も苦労はないのだが、写真の通り(写真ではよくその怖さが伝わらないが…)ロープつきの急降下である。雪といっても凍っている個所がほとんどなので下りはことのほか危険極まりない。アイゼンでガシガシ凍った面に蹴りこみながら慎重に降りていった。で、鞍部まで下りて見上げた峰はさらに高い。これこそは去年の夏のアルプスで経験したキレット越え以来の苦労だった。凍ってなくても不注意で転・滑落は必至の場所であった。
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十二ヶ岳の頂上は広くなく、小さな祠があるのみだった。南側に展望が開け、富士山が聳えているが日が昇ってからはコントラストが低くなり、撮影の対象にはならずに鎮座しているのみである。だから記念写真も撮るに及ばず、こうして眼下に見える西湖を眺めるのみである。
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次の目的地は節刀ヶ岳である。その途中のいかにも「稜線」というような岩場のお立ち台から撮ったもの。青木が原樹海である。こうしてみると真冬なのにいよいよ黒ささえ感じる緑である。そしてその向こうには去年11月に登った毛無山。これもまた改めて大きな山である。自分のいるところの北側には前項の目的地がちょこんとピークらしさをアピールしている。
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写真が節刀ヶ岳。御坂山塊の西部で1700メートルを越える山である。御坂山塊の縦走路と十二ヶ岳からの道が交わるジャンクション、金山から15分ほどで行くことができる。ここまで人っ子ひとり会うことはなかったが、この縦走路には新しい足跡がついていた。本当は短い区間でもピストンは好きではないのだが、手ごろな場所に手ごろな高さの山があったということで足を運んでみたまでの話である。
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節刀ヶ岳。標高1736メートル。頂上には「山梨100名山」の道標も立っていた。いい加減お腹に何か入れなければガス欠状態になってしまうので大休止することにした。そんなことをしている間に登山者が独りやってきて写真を頼まれたりした。背景になる南アルプスの山のことを聞かれたが、私には北岳しかわからなかったので「よく知らないんです」と間抜けな答えをするしかなかった。そんなこんなで小一時間うだうだしていた。後から考えるとここでこんな時間を浪費することはなかったのだが、やはり空腹には勝てなかった…。
写真は富士山をバックに記念撮影。まあ雄大な景色ではないか。
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キリ良く下山するためには、この日の計画でもうひとつ山に登らなければならなかった。それが写真の鬼ヶ岳。この日の最高地点、またしても大きな山である。その後ろにはまたまた毛無山、何とも懐かしさがこみ上げてくる山ではある。アイゼンははずれることもなく靴にしっかりと馴染んでいるようですこぶる快調な足取りである。節刀ヶ岳でも見えていた南アルプスがさらにクッキリと見えてきた。この分なら相応の展望が鬼ヶ岳山頂では期待できそうだとさらにペースをあげていった。
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そうして鬼ヶ岳頂上。素晴らしい眺めである。写真は御坂山塊北方に広がる甲府盆地。とても広い。フイルムの枚数がなくなってきたのでこの盆地の写真をセレクトしたわけだが、実にこの盆地の存在が周りの大展望を引き立てていたと言ってよい。そのほか目を転じると東から雁ヶ腹摺山、大菩薩嶺、乾徳山、金峰山、編笠山(八ヶ岳)、甲斐駒ケ岳と昨年までに登った山が一望できた。これは感慨深いものがあった。もちろん北岳をはじめとする南アルプスの白い峰峰も手に取るように見える。いずれ登ってみたいと決意(?)を新たにした小僧であった。
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それで撮ったパノラマ写真。見た目はクッキリしているのだが、ネガ写真だとこんな感じ、がっかりである。まあHPに載せる写真なのでとりあえずという感じで勘弁願いたい。ポジでも撮っているので機会があれば差し替えも考えよう。本当に南アルプスの展望は圧巻だった。
鬼ヶ岳を通過すればあとは下りるばかりである。と思って雪が消えたところで「もういいだろう」とアイゼンをはずしてしばらく行くとまた登りになった。下山のジャンクションは鍵掛峠というところなのだがそこまでアップダウンがまた少々あった。そしてその都度現れる雪に足がとられて歩行がいきなり困難になった。気分としてはアイゼン装着時と同じ足取りなので思わぬところでスリップしたりする。もう一度つけようか…、と思ってはいるが正直なところ面倒だったので、凍っているところは情けない格好でそろそろと進むこととなった。それだけ冬の山道は油断ならないところだと知るところとなった。写真は鍵掛峠の写真、下山しなければ精進湖北方の山に到達するコースになる。これはまた別の機会に訪れたいところである。
西湖湖畔の根場に到着したのは午後12時45分。そこから眺めた鬼ヶ岳はいきなりそそり立つ屏風のように見えた。
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おまけ:午後の撮影行
根場から駐車場まではバス路線だが、間が悪くこの時間帯はバスの便がなかった。よって西湖北岸をまるまる歩くことになった。西湖の南岸はついたてのように山があるので富士山は場所によってその頭がちょこんと見えるのみである。湖はとても綺麗で富士山があまり見えないというだけで静かなたたずまいを見せていたが、私は次の撮影をしたかったのでスタスタと歩くだけだった。時間にして1時間ちょうど。山登りほどの疲れは感じなかった。
その後はクルマを駆って朝霧高原の農道を走り回って午後の富士山を撮り、夕暮れ時には田子の浦港で紅色に染まる富士山を撮ることができた。本日の標高差はこれで1700余メートル海から見上げる富士山はさすがに高く見えた。この田子の浦のポイントは自分の好みにあったのでまたくることにしよう、と思い東名富士インターを後にした。
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御坂山塊西部
これでおしまいです
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