鍋割山
(神奈川県:1237m)
しかも秦野市(笑)
2002,12,23
2002年の冬は私が秦野に住んでから8年になろうという冬だったが、何と12月中に2度の降雪があり、その初っ端は積雪まで記録した。こんなことは初めてで「暖冬」なんて予報した機関の信用はいかばかりなものか考えさせられることとなったが、ともかく目の前にある丹沢表尾根は真っ白になった。そうなるとなかなか丹沢も捨てたものではないと思うのが人情ではある。ただし、一度目の積雪は週初めだったのでさすがに次の週末までは新鮮味に欠けたので登ろうとは思わなかった。しかし、毎日恨めしい思いで小田原方面に出勤はしていた(笑)。
そんな私にも新雪の山に登るチャンスが到来。12月22日はとても寒く、平地では若干の雨しか降らなかったものの山はある標高以上の場所で白いものが見られたので上の天気はどうであれ、雪の山に登ってみようと思い立った。
ターゲットは鍋割山。丹沢表尾根に連なる西端の山である。
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前置きが長くて申し訳ないが、要は自宅から見て一番取り付きやすい山を選んだのである(笑)。塔ノ岳がこの表尾根の最高峰だが、大倉尾根を登るのが嫌だったりで、鍋割山なら「さあ、登るぞ!」と林道の終点からだいたい2時間弱で行けるとある。何しろ雪の山なので楽に登るに越したことはない。ちなみに鍋割山は我が秦野市にある山だ。それだけ身近な山なのである。
自宅からタクシー使って6時に大倉到着。日の出前から四十八瀬川沿いの西山林道を歩いて登山口の二俣を目指した。明るくなってきたものの日は差さず、上空は曇天だった。
二俣から鍋割の登山が始まる。@正規ルート(何のことはない鍋割頂上への直行ルート)、A小丸経由ルート(表尾根を経由して鍋割に至るコース)の2つがすぐに目に入る。両方のルートを歩いたことはあるのでどうしようかなと、この場に来て迷う。歩き始めた時は「雪山だから」という理由で@以外の余地はなかったのだが、さっさと上り始めたかったのと雪の稜線を歩いてみようとする要らぬ欲が頭をもたげてAのコースの選択に踏み切った。しかしまあ、過去に歩いたことがあると言っても7年前のこと…。道標があるだろうから大丈夫程度の認識で突っ込んで行った…。
本当に文が長くなって申し訳ないのだが、小丸経由ルートを登ること15分、写真のような植林帯を私は歩いていた。あまりに霧の光景が素晴らしかったのでついつい写真など撮っていたのだが、こんな景色はなかったような…、という疑念が出てきた。このルートは上り一方で辛かったことだけは覚えていたので枝尾根を乗り越えて植林の中の道を緩やかに下るというのは合点がいかなかった…。その答えはいかに…。
要するに小丸経由入口から25分後に@の正規ルートにめでたく合流したというわけだった。つまり道を間違えたのである!ああ、この丹沢でもやってしまったのか…。コースを間違えた場所の心当たりはあったが、もはやそのコースを歩く気力など凹み具合から持ち合わせていなかった。正規ルートを進めるだけでも感謝、感謝と変な反省をして前進した。
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本格的な登りに取り掛かって1時間くらいのところ。後沢乗越を通過してもどうにも写真の通り視界が冴えない。自分でも登っているのになー、と思っているのに雪の白いかけらもない。だいたい大倉から登って来た時に霜柱ひとつ見なかったのも気にかかっていたところで、「もしかしたら冷え込まずに、積もらなかったのでは…」と最悪の空振りも予想した。
それでも、まだ登るんだっけ?と思い始めた登りで太陽の光を感じ、「晴れるのかな…」と雲の動きの速さに、せめて何かいいことないかな、とただただ平凡な冬の山道を登って行った。
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上空が明るくなったと思ったら空に色がついていた。晴天、青空のそれであった。雪こそはないのだがなんと写真のような絶景が目の前にあるではないか!
名も知らぬ(調べとけって…)山々を従えた富士山と眼下には何と雲海ではないか…。鍋割頂上までこの状態が続くとは限らなかったので三脚On(こんな表現はないと思うが…)でこのカットと似たようなものを撮った。
晴れた上方には鍋割頂上が真っ白になって見えている。おお、雪もあるのだ!
私は頂上まであと15分くらいのところにいた。
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富士山を撮った場所から少し登ると忽然と雪が現れた。登山道は明瞭で踏み跡を歩くほどでもなかった。今回はオールシーズンの重登山靴で出撃しているので、何の問題もない。何という安定感だろうか、新雪を蹂躙するかのような進撃ぶりである。しかし、頂上が近くなるにしたがい早く撮影をしたいという焦りからペースを乱した。いつものパターンであった…。左右の景色は見えてはいるが、撮れないような条件だったので大変焦った。結果的にはこの天候が昼前まで安定していたので杞憂に終わったのだが、もう少しどっしりと構えられないものかと思う次第である…。
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おお!鍋割山山頂である!!この景色、大倉や二俣では全く予想だにしなかった別世界。素晴らしいの一言に尽きる。コンパクトカメラで撮ってこの出来(というほどのものではないが…)である。この日の目標は(撮れたら)雪景色を撮る、ということだったのでこの山頂からはもうそんなには動かない予定である。なぜならこの景色で十分満足してしまったからである。欲がないと言われればそれまでだが、移動するというのも勿体無い、そんな感じだった。
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と、言いつつ一応稜線の様子を見てみようと少しだけ塔ノ岳方面へと足を延ばした。
道はつけられているのでアイゼンなどなくても大丈夫だった。これは靴の性能によるものが大きい。軽登山靴ならアイゼンは必要だろうとは思う。まあ不測の事態(私の場合は道迷い・道間違いか…)に備えてアイゼンは持っていたが、使わないに越したことはないの教えにしたがって、そんまんまである。
それにしても樹上から落下してくる雪攻撃には閉口した。日が高くなってくるとだめだなー、とやはり鍋割頂上周辺でうろうろしているのがいいという結論に達した。
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おおおお!これが進撃最終地点。これだけの景色が見られれば大満足。蛭ヶ岳(一番左)をはじめとする主稜が一望である。下は雲海。これはアルプスに登った時でも見られなかったものだったので感動したのは言うまでもないが、改めて「丹沢侮りがたし」と単に山を標高で云々することのあほらしさを今回身を持って知らされることとなった。
時期を選ぶこと。(もちろん行ったことがない、という前提が一番最初に来ることは疑いないが…)これは山を楽しむための知恵のようなものだろう。平地の撮影よりデリケートな条件だと思うので、またどんなところが面白そうか(所詮はこの程度の発想か…(笑))いろいろ調べてみようと思っている。
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今回の最深部から見た鍋割山山頂(中央)と富士山。まあ、だいたい鍋割山頂から20分くらいのところ。
この山稜のブナ林もそれなりに素晴らしいが、この日はもう樹上の雪がどさどさと落ちてきていたので雪面の美しさも何もなかった。前の日に山小屋に泊まっていたりすればその恩恵に預かれるのだろう。まあ、こんな感じかと、また山頂へと引き返した。
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この2枚、説明は特に無し。鍋割山頂にて。小僧です(笑)。
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この山頂にこだわった理由はただひとつ、この鍋割山荘の名物「鍋焼きうどん」を食べたかったこと。この山小屋は、山の世界では超メジャーな存在なので私が説明するまでもないところなのだが、今回は初の利用ということで900円で「名物」を賞味した。
これが山で900円では過分なくらい美味しいもので具沢山、出汁良し、と何より冬に食べるのが一番というのが私の感想である。11人前を頼んでいたパーティなどは「今年もここで年越しうどんか…」などと、なるほどと思えるようなことを言っていた。
まあ、私としても2002年の登り納めとなったこの山でちょっと早い「年越しうどん」を食べたことはなかなかの風情であったと自画自賛している次第である。
しかし、来年こそはもっと注意して山を歩こうと本当に思った。もう迷いたくない!!
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2002 最終山行 鍋割山 おしまい
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