御正体山

(山梨県:1682m)

2002年4月14日

前回の丹沢縦走で得たものがある。それは、山を登る時のペースだった。今回の山行ではそのペースが自分にとって本物なのかを検証(こう書くと仰々しいが…)するのが目的のひとつとなった。このペースが自分のものであれば、今回更に体に叩き込むことによってそれを「新戦力」としていきたい。

御正体山は道志山塊の最高峰とある。読み方は「みしょうたい」と読むとのこと。難しい読み方だ。

もともとはこの日、同じ山梨の乾徳山の登山を予定したのだが、乗り物の時刻検索サイトで調べたところ塩山発の始発バスに乗れないことが判明、よってこの山に登ることにした。要するにそれまでこの山の存在、ましてや読み方までほとんど知らなかったというわけで、手ごろな高さの山を選んだのが実際のところである。

今回は単独行でなく、私のオヤジと同行した。齢60半ばであるが、こういう日帰り山行ならば特に問題なくこなせる体力を持ち合わせている。

小田急登り始発で横浜・中央本線経由で2ヶ月前に利用した富士急行線を都留市まで利用、1本早い電車に乗れたのでバスを待つことなく、タクシー乗車。一人だったら割高なのでバスを待っていただろう。
写真は御正体山北側登山口の様子看板を撮っただけだが、私の背後には三輪神社という神社と汲み放題の水場がある。

神社横の舗装された林道をしばらく行くと、舗装が終わり、登山道らしいたたずまいになる。写真はもう1時間くらい登ったあたりの道の様子。左側はカラマツ林。よく見ると緑の芽を吹いているが、あの独特の新緑模様まではもう少し時間がかかるようだった。
コースの概要は、先の神社から緩急はあるもののほとんど登りっぱなし。植生もしばらくは植林の中を歩くので単調である。
下部ではヤマブキ、この辺ではスミレ、マメザクラがところどころ見られるだけだった。

 

この山はガイドを読むと展望はほとんど利かないようなことを書いてあったが、まさにその通りだった。ここは小休止したところだったが、たまたまこんな景色が見えた。方向としては都留市の方を見ている(と思う)。遠方は季節柄霞みがかかって、よくは見えない。

まあ、この季節だから木は葉を落として山が明るく感じられるが葉が茂ると鬱蒼として私なら遠慮したい山かな、とも考えながら登っていた。

 

登山道の傍らで。2時間近く登っているとこんな風に倒木に苔むす様子が見られるようになった。「おー、いい感じだな」と思っても、こういう時は山が明るいと写真にしにくいと感じる。やっぱり森は鬱蒼としてないとなー、と手前勝手なことばかり考えている。

歩くペースは快調。平地の半分のペースとものの本で読んだのだが、私の場合は1/3くらいにスピードを落としている。意識しなければ落とせないペースである。オヤジ殿は放っておくとペースがどんどん上がるので今日は後につかせて登らせた。

 

2時間近く登って、一旦登りが終わり、あとは山頂まで小さなアップダウンを残すのみとなった。植生が変わり、ブナの木が出迎えてくれた。木の貫禄はあるが、やはりこう明るくては「木の写真を撮りました」で終わってしまうので、カメラを出すまでには至らない。

小さな石の祠、「峰神社」という場所を通過して、それほどきつくない道を平地モードでスタスタと進む。これまでの登りがきつくない、というのは自分としては快挙だ。今まで一体どのような登りをしていたのか思い出せないくらい体は軽かった。

 

御正体山山頂。本当に展望も利かないところである。この場所に三角点があるので写真に収まった。このそばには「御正体山頂」という少しだけ立派な看板が立っていて、たいていの人はそこで記念写真を撮っていた。

午前8時10分に登りはじめて、頂上到着午前10時30分。昼にはまだ早いので、あと1時間くらい歩いてから食べようということで頂上を後にする。

しかし、この頂上付近には撮るものがあった。

 

撮るものがある。これは実に嬉しいことである。
この写真はコンパクトカメラで撮ったものだが、頂上付近はバイケイソウの群落になっていた。前回の丹沢(桧洞丸)付近でもこの植物を見たが、2週間前の様子は地面からこの緑の芽を少しだけ出しているだけだった。

今回なら写真にできる。結局頂上付近で撮影タイム。みずみずしい緑の筆が地面から生えている様でなかなか面白い光景だった。

 

写真は山頂から山伏峠方面に向かっている途中から撮ったもの。御正体山である。いろいろな人のHPの山行記を読んでいるとこの尾根道でのピークの名前についてふれているものがあったが、生憎私の地図にはそのような表記はない。この尾根道で御正体山の次に載っている山は石割山(山中湖に面している)である。

本当に展望のない山だなー、と思っても先の撮影がとても気持ちよくできたので、今日はもうこれでいいくらいというくらい機嫌がよかった。

このあと11時50分から12時半まで昼食。オヤジ殿は出発までグーグー本気で寝ていた。私が起こさなかったらいつまで寝ていたかどうかわからないくらい熟睡していた。

 

長い尾根だが、左側に見えていた「道志みち」がだんだんはっきり見えてきた。しばらく行けば、石割山・山伏峠の分岐がある。それと同じ頃尾根から右側に見えていた送電線が、一足早くこの尾根をまたいでいった。これがその写真である。改めて驚かされるのはこの大きさである。こんなものをよくもまあ、この山奥に建てられるものだと単純に感心してしまう。何かの映像でヘリコプターで送電線を運んでいるのを見たことがあるが、この鉄塔を建てる時はどんな感じだったのか、見てみたいと思った。

こうした一般的にこういう建造物はは景観ぶち壊しの要素ではあるのだが、こうまで展望の利かない(また言ってる)山行だとこういう感動もあり、という気がしてくる。皮肉にもこの一帯だけは展望がとてもよく、山頂以来多くの人が休憩をしていた。東方面の遠望もわりと良かったので、この間登った西丹沢方面の山々を確認することができた。

 

先の「展望台」から少し進んだところで見つけたバイケイソウの群落。御正体山頂から標高も300メートルは下っているかな、といったところなので葉っぱが写真のように開いていた。これには小躍りした。光の状態もなかなか良く、オヤジ殿は分岐まで先に行ってもらって、ここでもしばらく写真を撮っていた。モノがモノだけにローアングル、下手すれば腹ばいなので後続の人から見れば、遠目には「行き倒れ」のようにも映ったかもしれない。

「バイケイソウ輝く」、タイトルのイメージ通り写真が撮れていることを願うばかりだ。

 

山伏峠。先の分岐からは石割山へも足を延ばして山中湖に下れるのだが、今回は欲張らずにそのまま峠に下りた。この御正体山の登山道はここに至るまで丹沢で見られるような木を利用した階段は一箇所も見られなかった。あの階段は曲者だな、と前回思っていただけに、今回快調だったのはその階段にペースを崩されなかったからか、と分析した(そのかわり下りではスリップ2回)。山からの景色は期待できない(もうボロクソ)が足に優しい登山道だった。また登りたいと積極的には思わないが、何か魅力的な情報が得られれば登るかもしれない、程度の山である。

写真はまさに峠の国道と合流しようかというところにある、廃屋横の「建造物」。見た目トンネルに扉がついているといった代物。一番上には(右から読むように)「山伏」とだけ書いてある。何か異様な空間だった。ここを通るのが夕方でなくて良かった…、と思う。これは一体何なんでしょう。

 

ここからは、下山後のことなので付録のようなものである。

山伏峠から山中湖の平野まで国道を歩いて4キロ少しの道のり、1時間かかった。山の上から見た時は、「あんなのはすぐだな」などと思っていたが、やっぱり先人の残した記録通り、1時間という行程だった。

オヤジ殿とは平野で別れ、私は更に湖畔は旭日丘まで写真を撮りながら進んだ。

写真は山中湖と富士山である。(笑)
雲がかかって見えないわけでなく、見えてはいるのだが霞んでしまっているのである。本当に山登りを始めてから富士山には縁がなくなってしまった。冬で日暮の早い時ならまだしももうこの時期となれば日没は午後5時半以降、これでは御殿場行の最終バスに乗れないので「シルエット富士」は諦めが肝心、とばかり湖畔でのスナップや、見頃のフジザクラを撮りながら午後5時10分到着のバスに乗って山中湖を後にした。

 

御殿場午後5時50分到着。この時刻に着けば、取るべき手段はひとつ、「特急あさぎり」の利用である。
これを使えば松田まで30分くらいで行くことができる。

もっとも乗車券より、特急券の方が高くなる区間なのだが…。

でかいザック背負って乗り込む私とゴルフリゾート地帯で遊んだ方々との違和感はさておき、車窓に目を転じれば

おお!富士山!!

予想はしていたが、だいたい結末とはこんなものである。

さあて、次はどの山登ろうかな。

 

 

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