三国山稜

(三国山1320m・大洞山1383m:静岡県・山梨県)

2003,3,9

 

いろいろな事情があって、この山に登ることを決めたのは前日だった。天気が良いだろうという見通しと3月中旬からペーパー教習を受けることになったので3月9日に急遽出撃することになった。このところ運動らしい運動もしていないのであまり高い山や行程の長いものは選べなかった。おまけに山岳保険も切れている時期だったので無茶も出来ない(笑)。それで三国山稜を選択したというのがこの前日の経緯である。もっとも、ここはブナ林で知られているところなので新緑か梅雨の時期に行こうととっておいたのだが、所詮はうまいものを最後まで残しておけない性格でもあるので、何のためらいもなく「行こう」ということになった。どっちにしても「その時期」のブナ林を写真におさめるためのロケハンも兼ねるということもあった。地図などを見ると4時間程度の行程なのでそれほど長いものでもない。

三国山稜に入るには主に3つのコースがある。籠坂峠発、平野発、明神峠発が地図上で読み取れる。私は素直ではないのでこの明神峠発を選んだ。上野行きというバスがいかにもローカルという感じがしたし、明神から籠坂に向かうルートは最後に富士山が見えるというものなのでここでは楽しみを最後に持ってきた。

多分一生に一度しか乗らないかもしれない上野行きのバスに御殿場から乗って30分余り、終点に近いところに「明神峠入口」というバス停があり、そこで下車。しかし、これが「口」とは言ってもはっきり麓であり、400メートル近くは登るのではないかという場所だった。げんなりしたところで8:30に出発。それから車道をひたすら歩く。風も強く車道の傾斜も手伝ってか前傾姿勢で登る場所があるくらい風の抵抗があった。峠まで70分のところを50分で登った。あー、こんな道登るのは一生に一度で結構だ。登り切った時そう思った。

写真は峠までの道で見えた富士山。これ以後稜線などでクリアに見えることはなく、アザミ平までその勇姿は見えることはなかった。

明神峠。なかなか風情があるではないか。車道の脇にこんな道標があった。標高は900メートル。クルマだったら麓からすぐだろう。さすがに飛ばして疲れたので10分くらい休んで水などを飲んでいた。9:30出発。

バス停もあり、春から秋の休日などはここまで運行するらしい。ここから歩ければほんとにとても楽だと思う。

 

 

明神峠から三国山稜のハイキングコースに至るまでは登山道と平野に抜ける車道が並行して走っている。だいたい1.5キロぐらいまだ緩やかな登りが続くのだが、景色の良さから私は車道コースを歩いた。やっぱり舗装路は楽である。しかし、楽でないのは雪を想定して重登山靴を履いてきたので、こういう道では歩きにくいことこの上ない。これで雪がなかったらちょっと悲しい。

まあ、その辺は麓から見て山が白くなっていたのでこないだの鍋割くらいは積もっているだろうということは予想できた。

しかし、900メートル付近では雪の「ゆ}の字も見当たらなかった。

写真はその車道から見た箱根山地(奥)。手前の黒い山の麓が峠の入り口である。山に入るまでに相当歩いた感じがした。

さあ、この辺から登るぞ、というところで神奈川県の表示。一瞬「!?」と思った。静岡県の北は山梨県だと思っていた私は地図を開くと、ここは静岡と神奈川の境だった。山梨との境は三国山稜を登っていく時に越えるらしい。

まあ、だから「三国」山稜か、と改めて納得した私ではあった。

 

 

前項の写真の左側に登山道があり、そこからが山道である。入って5分としないうちに雪が現れ、積雪の登山道になった。こんな道でも歩いている人がいたらしく、トレースはついていたので道を間違えたり、歩きにくいことはなかった。だが、当然普通の靴では歩けないような場所でやはり靴の選択は間違っていなかったと喜ぶ。

雪の反射がまぶしてので、サングラスをかけてそれほどきつくない坂をガンガン登っていった。

 

ブナの大木が増えてきたな、と思ったところで緩やかな坂の頂点。そこが三国山山頂だった。標高1320メートル。ここまでの道のりは登山道より車道歩きの方がペースや距離を考えてもきつかった。

先客がラーメンを作って食べていた。ここからは平野方面のパノラマコースと籠坂峠へと二手に道が分かれる。パノラマコースも富士山の見えるところまで当初は行こうと思ったが、降りてまた同じ道を登り返すのがかったるかったので、そのまま稜線歩きを楽しもうと、次の目的地大洞山へと歩を進めた。山頂到着は10:20だった。富士山の展望はない。

 

雪の稜線散歩。凍ってもいないのでアイゼンなしで快適に歩ける。稜線には大きなブナがあちこちに立っている。今回の山行を急いだ理由のもう一つは、あるカメラ雑誌のモニターに応募してカーボン製の三脚が当たったため、そのモニタールポを書かなければならず、それを携帯しての山歩きである。カーボン製のものはやはり軽く、それでいて華奢な感じがしないところがとてもいい。それでその三脚の使用状況を記録しなければならないのでわざわざ小さな三脚を持っていって(笑)それで撮影状況を撮ったりしていた。

山稜はゆったりしている。人も思い出した頃に現れるという感じだったので静かな稜線散歩だった。

山稜で見かけた木二態

一旦裂けて持ち直した根性の木 風で倒れたのかその根の断面

写真を撮りながらゆっくりと進み、11:40に大洞山到着。標高は1383メートル。この日の最高地点である。しかし、山行のタイトルが大洞山ではインパクトに欠けるので今回は2つの山の稜線をひっくるめて「三国山稜」とした。

後ろには富士山の勇姿が見えているのだが、何しろ保護林であるために展望地はこの稜線にはほとんどない。昼時ではあるが、ここも昼食をとる雰囲気の場所ではなかったため、アザミ平まで降りてみることにした。

しかし、冬だからこうして明るい稜線ではあるのだが、葉が茂ると鬱蒼とするのだろう。まあ富士山を見たい向きは、三国山から山伏峠方面へと行くのがスタンダードなのかな、とこの時思ったりした。

 

アザミ平到着、12:20。「おお!今回も感動させてくれたか富士山よ」と雄大な風景が目の前に広がった。しかし、意外と富士山までの距離感があり、遮るものがないわけではないのだなー、と写真を撮りながら改めて気づいた。御殿場側の真っ白な部分と山梨側の雪と山肌のバランスのいい色合いの部分がここから見るとちょうど真っ二つだった。富士山の雪模様としてはあまり美しいとは思えないものだったが、望遠レンズで雪面に映る雲の影を撮ったりしていた。

ついでにここで昼食。ここまで我慢してよかった。大した物は食べていないが実に気分が良かった。

アザミ平からの展望

愛鷹連峰。右が越前岳

富士の裾野の向こうにアルプス

アザミ平で大休止した後は一気に籠坂峠に向かった。途中、ブナ林の記事がでていた角取山という山への分岐があったが、ここなら適した時期に籠坂峠からくればいいな、と判断してカットした。山稜線はつねに雪が積もっていたが大体20センチから30センチで最後までかったるいことはなかった。日ごろの運動不足解消には誂え向きのコースだった。

籠坂峠までの下りは多少雪の質が悪くなったものの滑ったり、転倒することもなく上手(笑)に歩くことができた。

写真はアザミ平から振り返って見た大洞山方面。

 

登山道が終わり、ガイドにもあった霊園を抜けるとすぐに籠坂峠だった。河口湖方面の幹線でもあるので交通量は多い。登山で使った明神峠までの交通量とは雲泥の差である。バスの時間に間に合わずにつごう次のバスまで50分近くバス停で待つことになった(これは結構間抜けな状態)。通り過ぎるクルマのナンバーを見たり、4ケタを足し算したりとそんなことをして時間をつぶしていた。

峠からも富士山は見えたが、もう雲に蹂躙されているという感じで写真という感じではない。機材を完全にしまいこみ、今回は道間違いも、転倒などもなかったとてもよい山行であったと反省した私だった。

三国山稜山行 これでおしまいです

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