東北プロジェクト(改・男鹿プロジェクト)

庄内編

1990,AUGUST

ついに初の東北旅行も終盤。秋田、そして青森を少し齧って、いよいよ山形県の庄内地方へ。ここでは酒田、鶴岡に宿をとり、2泊3日の行程でしたが、さすがに機材を持っての移動は体に堪えてきました・・・。まあ、訪れたところは以下の通り。物見遊山の色合い強く、「撮影」という感じではなかったですが、天気にも恵まれ、その分観光して楽しむことができました。

8月25日。いよいよ山形県庄内地方へ。象潟からまた羽越本線の上り始発で移動して、午前中は酒田駅周辺を巡る予定。
写真は酒田駅にあった「大獅子」。なかなか面白い記念写真になった。

特にこの地域は、この辺出身の知り合いからいろいろと事前に情報をもらっているのでガイドブックは道順の確認のみにとどまりそうだ。

駅でレンタサイクルを借りて早速めぼしいところから訪れてみようと思った。

今日も天気がいいので夕方は海岸方面に行くことになるだろう。

レンタサイクルは変速機なしの「おばさんチャリ」なのでちょっとかったるいが私向きの移動手段である。

写真は酒田灯台。ここに来るまでは、本間美術館、酒田郷土資料館、海洋センター(ここで近辺の灯台の場所を確認した)を訪れている。写真といえば右のような「本人在中」の記念写真しか撮っていない。まるっきりの物見遊山モードであった。

それにしても酒田の海岸は結構駅から遠かった。自転車とはいえ一度ここに来ることによって距離感を掴んでおいたことは、この日の夕方役に立った。

旧酒田灯台がある日和山公園、山居倉庫を経て長大な出羽大橋を渡る。
山居倉庫ではここに来て初めてリバーサルの写真を撮った。倉庫の日よけとしてあるケヤキ並木は素晴らしいもので撮らずにはいられなかった。まさに米どころ庄内を印象づける施設だった。

出羽大橋からは裾野左右に延ばす鳥海山が見えた。頂上付近だけ夏雲がかかっているがとても美しい山に見えた。

写真は「土門拳記念館」。酒田に来たらここは是非とも訪れたかったところであった。シャープで巨大な写真に圧倒された。素晴らしい作品の数々だった。

そろそろレンタサイクルの貸し出し時間の期限が迫ってきたので、またまた長い出羽大橋を渡って市街地へと戻っていった。

その後、もう一度酒田の海岸に出て夕日を撮ろうと思った。地図を見ると午前中行った酒田灯台方面に、埠頭があり、そこからなら日本海に沈む夕日が撮れると考えて徒歩で移動した。海洋センターかまでは順調に来たのだが、その後、気まぐれで「直感」による道選びをして通行止めの立ち往生という憂き目にあった。付近は殺風景な工業団地で日もだんだん落ちてくるので、そんなところを一人で走っている姿などは実に滑稽でさえある。
日暮れまでに何とかしなければならない、というのは「走れメロス」と設定は何となく似ていないでもない・・・。

かくして汗だくになって見覚えのある道に出て、埠頭に着くことができた。
埠頭では釣りをしている人が、まあちらりほらりといる程度でしかも突端である。その突端までがえらく長いので、「そこまでは行かなくても大丈夫」と自分に言い聞かせ、セッティングをした。
その様子を見ていた1組のカップルが、そのカメラを覗いたら何が見えるのかを聞いてきたので、覗かせるとそこに写っている太陽の大きさに感動していた。何でも2人は宮城の人で海からの日の出は見たことはあるが、海への日の入りというのを見たことがなかったので来たということだった。そんな2人と会話をしながら夕日の撮影は終了した。

また、明けて今度は鶴岡へ。ここが最後の宿泊地である。ガイドブックが頼みの綱なので大したところには行けないとは思うが、できるだけうろうろしようとまずはバスに乗って羽黒山に行ってみた。

バスの終点は山をかなり登ったところで、「羽黒山」「月山」「湯殿山」の3つの神様を祀っているという合祀殿であった。立派な建物だったが、特に信心深くもない私は一瞥して、立派な杉が林立する参道をどんどん下って行った。

 

最後は膝が笑ってしまってどうしようもなかったが、木立の中に建っている国宝の五重塔は素晴らしいと感じた。

とにかく連日のレンタサイクル行で、まさかこんなに羽黒山が石段の急なところとは思わなかったのでここに来て一気にダメージが出たという感じだった。それでも下りだからこの時はまだ楽だった。見返すと急な石段が梯子のようになっている・・・。登って見ようなどと早まらなかっただけ冷静だった。

鶴岡に戻るとまだ昼過ぎ。映画にもなった湯殿山にでも行こうかと考えたが、バスの便がちょうどいいのがなかったのと、先日酒田の海洋センターで「鼠ケ関」というところにも灯台があるようなことを書いてあったので、ほぼ新潟県との境になる羽越本線の鼠ケ関に行ってみることにした。

 

鼠ケ関。昔は厳しい関所として鳴らしたところだったらしい。「念珠が関」とも言ったらしい。

灯台は海に少し突き出した弁天島という岬の突端にあったが、特に観光地化されているという場所でもなくひっそりした所だった。初めての場所なのであれこれうろうろしてみたが、途中物凄いにわか雨に遭い、公衆便所で難を逃れた。まさに夏というような巨大な入道雲が頭上を覆っていたが、日がまだ高かったせいか、「虹でも出ないかなー」の願いは通じなかった。

鶴岡へ戻ったのが夕方頃。土産物などを物色しながら、「マリカ」という名の駅ビルの郷土料理屋で何の変哲もない定食を食べてホテルに落ち着いた。

旅行最終日。ホテルを出て、市内を散策する。と言っても鶴岡公園付近の観光スポットを訪ね歩いただけだったが・・・。

写真は「致道博物館」で県内の古い建物が移築してある。これは田麦俣の民家というものでユニークなものに見えて気に入ったので写真におさまった。

致道館跡はちなみに休館で柵ごしにその遺構を眺めるにとどまった。

道が入り組んでいるようでバスに乗っていてもくねくねしていたが、それだけ古い街割なのだろうと感じ、落ち着きのある街、鶴岡をあとにした。

この街はまた訪れたくなるようななかなか好みの街だった。

鶴岡を昼前に発ち、特急「いなほ」で新潟に到着。いよいよ最終ランナーの上越新幹線の「とき」に乗って帰京する。

別に急ぐ道中ではなかったので各駅タイプの新幹線に乗ったのである。この方が座れるし、私にとっては、旅の余韻を楽しむのにちょうどいい。

この夏は、高知、新潟、そしてこの東北旅行と物見遊山的な内容ではあったがまた広く日本を見聞できた。東北日本海側の夕日の素晴らしさを実感できたことも有意義だった。今度は厳しい冬にでも訪れてみようか、などとますます旅行の虫がうずきだすような旅行だった。

 

東北プロジェクト 3部作 これでおしまい

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