東北プロジェクト(改・男鹿プロジェクト)
男鹿編
1990,AUGUST
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前置きとして、もう10年以上も前の旅行のことを書くということ。もうそんなに歳をとってしまったのかという感慨がある。移動手段だけを考えても、「北斗星」は走っているが、「こまち」が存在していない時代。そして急行「津軽」なるものや赤い電気機関車が客車を引っ張っている、JRになってもこういう時代はあったのだと、今更ながらに思う。
細かい記憶は当の昔に洗い流されてしまったが、その時撮った写真を見ると、10年以上もたっていない、つい昨日のことのように思い出されることもある。
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8月19日の夜行急行「津軽」で上野を発ち、ほどよい睡眠がとれて新庄あたりで目が完全に覚めた。この旅行では初の秋田遠征を計画し、そのついでに東北地方の日本海岸を新潟まで南下しようと思っていた。何しろ初めての場所で気ままに動けるほど旅慣れてはいないので、宿については民宿、ビジネスホテルとも全部予約済みだった。
写真は横堀という奥羽本線の駅。「津軽」が何分間か停車するというので秋田県の地を初めて踏んだという記念に撮っておいた。
盆を過ぎれば東北行きの夜行列車も混雑とは無縁の列車だった。
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「津軽」は奥羽本線経由で青森まで行ってしまうのだが、私は秋田で下車。男鹿半島の入道崎に行きたかったので、男鹿線に乗り換えた。途中の追分まで行く普通列車に乗り込み、ブラブラした後、写真のディーゼルカーに乗る。松林が海岸沿いにあり、風光明媚とは言えないが、単線を行く列車の雰囲気はのどかなものがある。
八郎潟の切れ目のような水路を渡り、右手に寒風山を見ながら、終点の男鹿駅に到着。その先に線路がない終着駅としては当たり前の光景に感動する。
ここからはバスに乗る。待ち時間に雰囲気のある商店街をグルッと回った。
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バスで入道崎を目指す。と言っても、乗ったバスは男鹿温泉どまり、またそこで小一時間時間を潰す羽目になった。温泉街はホテルがある程度あり、体裁は整っているように見えたが、この真昼のこと、歩いている人などほとんどなく実に閑散としていた。実に無為な時間を過ごしたと思う。
後続のバスに乗り、いよいよ入道崎へ。
写真は到達記念に撮ったもの。黒と白のツートンの灯台が印象的。天気はうす曇だが明るい岬の台地は散策をするのにとても快適な環境だった。
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岬から宿泊地、戸賀まで歩いていく。いい加減な地図しか持っていなかったので「まあ、そのうち着くだろう」と台地上になっている岬の延長に伸びている道路を歩いていく。
いくら歩いても右手の海の風景が変わらないので後ろを振り返ると入道崎が見える。風の吹く台地上でしばし休憩。日が傾きそれなりに荘厳な風景が広がっている。こんな場所には私一人しかいないので、この旅の雰囲気に十分浸ることができる。
「ひとり旅に酔う」。そんな経験を肌で感じた場所だった。
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明けて翌日。結局昨日はあれから6キロくらい歩いた。夕日は撮りそこなうし、旅に酔ってばかりもいられない。交通機関のあるところは積極的に使おうとその時に思った。
この日の行程は戸賀から寒風山へ行き、秋田へ投宿するつもりである。
戸賀での民宿の料理は夜、朝とも十分すぎるくらいいただいた。
写真は美しい孤を描く戸賀湾で撮ったもの。
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バスで寒風山の頂上まで運んでくれることはとてもありがたい。寒風山は男鹿半島のつけねの位置にあるちょっとした山で展望台があることからもわかるように眺望はすこぶるよい。私は頂上にある「回転展望台」なるところに入って、居ながらにして360度の景色を楽しんだが、入道崎、男鹿市街、八郎潟、写真のような秋田方面に延びる海岸線を見ることができた。特に入道崎はカメラの望遠レンズでやっと確認できるくらい遠かったのだが、男鹿半島の大きさを再認識させられた。
次のバスまで時間があったので結局ひと山下りることにした。下山途中で真夏の天気になり後悔したが後の祭り。フラフラになって脇本駅に滑りこんだ。
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写真は秋田大学の付属博物館。
秋田に着いて、物産館を一瞥して市内の情報を仕入れていたところ、秋田大学の鉱山学部に付属博物館があるというので行ってみた。蛍小僧はこれでも地質学に興味があり、決して真面目な学生ではなかったのだが、某大学でそのようなことも学んでいた。
まあ、見学というより物見遊山にはるかに近い内容だったが、涼を求めるにはとてもいい場所だった(所詮はその程度の活用か・・・)
あとは秋田大学の生協で遅い昼食をとり、蕗のマークをあしらった校章入りのTシャツなどを買ってまた市街に戻った。
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ホテルは千秋公園の堀のそばにある駅からも近いところだったので鬱陶しい機材は部屋に置いて、その公園をブラブラ散策することにした。途中、美術館にも入ったりしたがこれも観光ガイドから得た情報による物見遊山である。
結局、堀の蓮がポイントかな、などと思って写真を撮っている人に聞いたら、やはり朝がいいと言う。それならこんな最高のロケで宿をとっているのだから絶対に明日は早起きしようと、枕もとの時計や手持ちのトラベルミニ時計をセットして、夜の街の徘徊は今度にして、さっさと寝ることにした。
秋田にはこの旅行中もう一度、2日後に泊まることになる。
次の日は北上し、五能線に乗る予定である。宿泊は沿線の横磯というところにすることになっている。
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東北プロジェクト(男鹿編) おしまい
続きは、五能線編へ。
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