中央アジアを舞台にして、10人の神々と土着の人々が織り成すドラマを集めた短編連作シリーズの外伝的な短編集です。
この作品集では、「ハンボレッドの谷(宇宙行く帆船に収録)」で10人の神々のひとりと愛し合うようになるターラ(真美女)の物語が語られています。
隨分前に刊行された作品なので単行本を入手するのは難しいかもしれませんが、21世紀に入るか入らないかという頃に復刻版が刊行されました。
この単行本には「ゾマ加味の嗤う夜」「ロンドン花吹雪」「ゾマの祭り」「イェチャブ・ツォの月」の4編が収録されています。
「ゾマ神の嗤う夜」
真美耶と真美女が乗っていた船が事故に遭い、ふたりは日本に打ち上げられます。
ふたりは彼らを救った徳光という男性の屋敷に身を寄せることになるのですが、真美女はこの屋敷の書生の野津京一と心を通わせるようになります。
「ロンドン花吹雪」
野津と真美女はロンドンで再会します。
ふたりの関係を快く思わない真美耶は再会を阻止しようとするのですが、この行為は彼に思いがけない代価を要求することになるのでした。
「ゾマの祭り」。
1940年のインド、チベットが舞台になっています。
真美耶を失い、真美女は生まれた地底に戻ることになります。
折しも月の力が強くなるこのときを待って、真美耶と真美女を生んだゾマの神々は失われた真美耶の復活をはかろうとしていたのです。
ハインリヒ・ハラーら5人のドイツ軍人は、この真美耶復活に巻き込まれることになってしまうのでした。
ハインリヒ・ハラーの名を聞いて、過去の映画「セブン・イヤーズ・イン・チベット」を連想される方もいらっしゃるかも」しれませんが、この作品と映画や史実とは別モノとして考えていただく方がいいでしょう。
「イェチャブ・ツォの月」
地底で生まれた真美耶と真美女は、チェレンシ(守り神的存在?)としてある国に迎え入れられることになります。
しかし、実際にふたりが迎えられた国でなしたことは「国の守護者」として国を守ることではなく、彼らを封じる方法をシルした聖典―カンギュール―を滅するためでした。
上記3篇の外伝というか、パラレル的な作品なので、正直本編とどのように位置付けていいかをちょっと迷う作品です。
「シルクロード」の世界へ―
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| 桜色の残像 | |||
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