宇宙船を舞台にした「月齢14.8」、第二次大戦直後のアメリカを舞台にした「騎士とエンゼル」、そしてタイトルになっている、未来の火星を舞台にした「薔薇科少年」の3作品を同時収録した短編集です。
岡野のさんが語るところでは「3編とも、自分好みの物語で構成されている本」ということでもあります。
「月齢〜」は、1度環境が崩壊してしまった後の世界を舞台にしているようです。
そうした末路を予測した大人たちによって宇宙船へと乗せられた子供たちと、地球に残った人々との物語が併行する形で綴られています。
ネイティヴ・アメリカン的な要素も盛り込んであるそうなので、そのあたりに興味のある方ものぞいてみては如何でしょうか?
「騎士〜」は、第二次大戦頃を舞台にしている物語ではあるのですが、戦争を直接的に描いた作品…ということではなかったりします。
どちらかというと、戦争が終って新しい時代へと向けて生きていく人達を、飛行機を小道具(このサイズになると大道具かなぁ?)にして描いた部類に入りますね。
作中にある「戦争が始まって…云々…」のせりふは、直接的にせよ、間接的にせよ、戦争に関わった人々すべてのホンネの言葉だと思います。
「薔薇科〜」は、最初は「もしかして、ミステリー要素の入ったSF?」と思われる方も多い作品かと思います(一説には、作者が「タイトル見て怪しまれないといいけどなぁ…」とふと思ったというハナシもあるそーな。)。
実はわたしがそう感じてしまいました。
「自分のなかに正体不明のもうひとりの自分がいて、その出現に戦々恐々…」となると、どうしてもそんなふうに思ってしまいますね〜。
ラストシーンでは、その憶測を大きく裏切ってもらうことになるのですが。
女主人公・毬央が怯えていた「秘密」が何かということは、本編を読んで納得してくださいね☆
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