越冬ピンギス観察レポート

レポート1
2000年1月30日(観察者:しだ)
さて、ピンギス観察報告。 ここ、諸磯湾は、油壷の南でとても波静かな入り江で、護岸下で水深1.2mほど 中央付近で多分3mほど、キスが居るのは岸から3m〜6m程のアマモが茂っている 間の砂地です。水深は1.5mほど、砂地の大きさは1u〜5uほど。またもう少し 沖側の大きな砂地帯とアマモの際に居ます。上から見ると海草と50cmほど距離を 保って、沖側か砂地の広がった方に頭を向けてじっとしています。他のキスが来ると 2、3m追いかけてまた、元の位置まで戻ってきます。決して群れているわけではあ りません、一番近くに居たものでも1mは離れていました。前日は5、6匹しか目視 出来ませんでいたが、今日はもう少し湾奥で5、60匹は見られました。近眼のため 今回はチョット高級なオペラグラス持参。
前日は、25号の錘に33号の竿でしたが、今回は15号振り出しに10号海草天秤 としました。仕掛けを数m奥に投入。全然音ではびくともしません。餌はジャリメ鈎 はがまのキススペシャル白6号、4本仕掛け、間隔は短く25cm。上の鈎までの長 さは1.2mとしました。メゴチは錘を追いかけますが、ピンギスは追いかけません。 錘の通った後を暫くすると(5秒〜10秒後)寄ってきて、突っつきます。
上手く、突っつくところに餌が有れば、突っつき、鈎がかりしますが、殆どの場合、 持ち上げる程度で飲み込みません。ここで、面白いのが、1匹が突っつくと音か振動 か見ているのか?1m程離れてじっとしていた仲間がやって来ます。もっと驚くのが 運良く鈎にかかった場合は、暴れている仲間を寄ってきた仲間が攻撃するのです。
縄張り争いに見えます。普段の広い海岸では群れているので縄張り争いは無いと聞い ていたので不思議です。ここで釣り上げてしまうと、後からやってきた仲間がその場 に居残ります。また、2匹以上で追いかけっこしていると不思議にメゴチやサビハゼ が近くに必ず集まってきます。そうそう、サビハゼも錘の直ぐ後を追いかけます。
全体的に見ると釣った後に空いたスペースを詰めるように、沖側からトコロテン方式 にキスが移動してきます。
実験的に、キスの居るところに錘を落とすと一瞬驚いて、3mほど移動しますが20 秒〜30秒ほどで元の位置に戻ってきます。錘をじっとしていると殆どの場合50cm も離れていない餌に気がつきませんでした。所が20cm程錘を動かすと錘近くに やってきて砂地を突っつき、周辺をうろうろと動き、餌を見つけると掛かり見つけら れない場合は定位置に戻ってまた固まってしまいます。また、私の影が早く動くと 逃げる動作をしますが、体を固定して竿や手が動いても気にしない。座ったり立った りもゆっくりなら平気。
わかったこと。
湾奥の静かな入り江で越冬中の小さなキスは定位置を持っている。殆ど動かない。 餌や他の魚が動くと捕食動作をする。縄張り意識がある。サビク錘の直ぐ後を探す。 仲間が捕食動作をすると近くに集まる。錘の着水音には思ったより鈍感。早く動く 影には脅える。アマモなど海草の近くが好き。場合によっては海草に身を隠す。今 回は一回も砂に潜らなかった。お気に入りの場所は空くと次ぎに仲間が入る。メゴ チ・サビハゼはサビクほど集まる。ある程度さびかないとキスは捕食動作を取らない。 よほど近くに餌が無いと最初から置き竿では釣れない。斜め上からぶつかるように 餌を突っつく。確立の上ではなぜか錘がなぞった溝方向から餌に飛びつく、鈎の下 からか上から(錘側)は五分五分。下から食った場合は飲み込む場合が多いものの、 錘側から来た時は口の横にかかる場合が多い。

以上、厳寒期の湾奥に越冬中のピンギスの観察日記でした。 釣果は、見ながら14匹、サイズは7〜11cmでした。(^^ゞ

レポート2
砂煙の通った後を探るのを利用した実験
ここのピンギスは錘がずるずると通ったあと5秒〜10秒後に捕食動作をする。

その1:サビキ方(毎秒10cm棒引き)
毎秒10cm程のスピードでサビキ続けるとキスの横または真下を通過して 1mほどで捕食動作をするだろうと予測してみました。しかし、自分が思って いるよりか錘の動くスピードって速いのです。予想より遅い動きで毎秒10cm を演出してみました。予想通り、上針が通過する頃にうろうろとしだし、一番 下か2番目の鈎に釣れました。しかし、殆どの場合(8割)、少し追いかけるが 諦めて元の場所に戻ってしまいます。

その2:サビキ方(毎秒5cm程度棒引き)
次は先ほどの半分のスピードでサビキ続けます。 砂煙の立ち方が良くないのか?確立で半分は無視されます。しかし、近寄って 来た場合、上の餌に気が付き、上から1、2番目の鈎にかかる。確立は5割程か? トータルではこちらの方が釣れる錯覚がしますが、最初に気がつかない場合が あるので、不利かな。

その3:サビキ方(50cm早目にサビキストップ)
今度は、十分に砂煙を立てた後に、15秒待ってまた50cm動かす。 この場合、砂煙のせいか殆ど場合、錘の後ろ30cm〜70cmぐらい後を 突っつく行動を取り、上の餌を見つければ食い付く。また、うろうろしてい 間に二度目のアクションで餌が動くと見つける場合が多いように思われる。

最初のアクションで食わせたい。
その4:サビキ方(1m砂煙をたてて、ストップ)
あくまでもキスの居る場所が見えているので出来るのですが、キスの横を1m 早目にサビキ、ストップ。この場合50cmサビキより最初に餌を見つける確立 はUPしましたが、諦めた場合、仕掛けが通りすぎているので2度と寄って来な い。

その5:仕掛けの長さを短く。上の針まで50cm。
ゆっくりサビキと50cmストップアンドゴーには効果あり。 気がつく確立は上がったものの、針がかりは落ちて釣果は上がらず。アタリが あっても釣れないのね。突っつく回数が激減。

その6:モトスの真ん中(上針から70cmに)大き目のスナップを付けた
これで、錘とスナップで2回砂煙が上がる。(スナップのはお情け程度ですが) ゆっくりサビキの時、丁度スナップ辺りを突っつく動作が見られ、その下から 来る餌に気がつく確立が上がった。

その6応用:付けたスナップにナス錘2号をぶら下げる。
仕掛けが絡むトラブル あり。 これが、今回一番効果が有った。錘の通過と2個目のナス錘で完全にトレース した線にキスが釘付けになって餌を見つける確立が上がった。

その7:胴付き仕掛けの場合
ゆっくりさびいても、錘の通過後にうろうろするためにまったくその上の餌に 気がつきません。メゴチは追いかけてきて食いましたが。

その8:ガン玉作戦。大き目のガン玉を上から1番目と2番目の間に付ける。
この場合もほんの少し、ガン玉で砂が動くのでうろうろしていたキスはそれを 目指して、突っつくが直ぐに上か下の餌を見つけて突っつく。

その9:上針の近くにシモリ玉を付ける。
これが予想を反して、釣果が上がらないのね。仕掛けは上針の所が海底から2, 30cm浮いている下針は着底している。錘が目の前を通過した後、浮いた仕掛け が来ても目線が下を向いていてキスの高さに餌が有るにも関わらず、気がつくのは 一番下の餌でした。難しいですわ。

その他、全体的に。
1.仲間が釣れて暴れると反って近寄ってくる。
2.錘には驚かない。
3.錘のトレースした後を突っつく。
4.常識的にモトスが短いと針がかりが悪い。
5.動く餌(物)に興味がある。
6.仲間の捕食動作に刺激されて同じ行動をとる。
7.サビキ続けた方が、メゴチ・サビハゼは釣れる。
8.メゴチ・サビハゼは錘を追いかける。
9.鈎にアタックする方向は様々なので、軸は短い方が有利。
10.さびいている時の方が針掛かりは良い。
11.止めて待っている時は、モトスが長い方が針掛かりは良い。
12.食い気が鈍い場合は、短い餌の方が針掛かりは良い。
13.止めて待つ時は、餌が動いた方が良い。(12番と相反する)。
今回は、ビーズ玉を試さなかったので、次回は追試してみますね。後は臭う餌かな?

レポート3(考察)
レポートの考察として実際のフィールドでの釣りとの関係について。

サビキの速さ。
キス専門さんは、早サビキで有名ですが、今回の観察で納得しました。 例えば、キス専門さんの仕掛けレポートに有ったモトスの長さから言うと毎秒 10cm以上でサビクと砂煙通過後丁度仕掛けが通る時間にキスが寄ってきて 続いて追い食いすることになります。ハリ掛かりの良い狐系の鈎で効率よく 絡まず釣ることができるようです。

最近の釣行から、三戸浜海岸のように、湾奥で波静かな場合。ゆっくりした潮 に乗って根に沿って回遊または漂っていると思われ、泳ぐ場所は沖目のカケアガリ の50cm程沖と想像できます。で、実際の釣り方ですが、3回共に6色弱投入で 5色のカケアガリに錘が差し掛かって暫く待ち、2、30cmズルズルと錘を動か した後、10秒程でアタリが有りました。今回の観察からキスがたまたま居た場所 で錘を動かした効果で砂煙または音、振動で気が付いたキスが10秒ほどして付近 の餌を発見して食いついたと思えば、納得できます。
つまり、広い砂浜では、居着きの場所または回遊コースを探し出すのが得策。 経験のある場所なら簡単ですが、初めてや状況が判らない場合は、50cm程サビキ 待つ。SHOUさん風、尺取サビキが有効と思います。また、やや活性が高い場合は ゆっくりした棒引きがポイントをつかむのに有効と思います。この場合、時々アクシ ョンを入れて砂煙を立てるのが良いと思いました。
さて、船釣りの場合を考えると、特に冬場の越冬ギスを狙うなら、尺取サビキ。 アクションを付けて砂煙を立て、ちょっと待つのが良いのでは。たぶん、深みのキス もあまり早くは泳いでいなく、ヨブやカケアガリに沿ってゆっくり漂っているのでは。 仕掛けが短いので1回のアクションは50cmほど(竿をチョイと立てるほど)が 最適ではないでしょうか?多分棒引きならメゴチの入れ食いでしょうね。仕掛けが 短い分、釣れる確立は大きいような。
こんな感じで、今回の観察と実際に自分の行っている釣り方を結びつけて、 キスの動きを想像しながらサビクと楽しさ数倍ですね。

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