トロイ話ですが、今回真剣にハウスメーカーさんと検討をして見るまで、自分達が木造にこだわりがあるとは思いませんでした。どうも終わってみると鉄骨系のHハウスには申し訳ないことをしたものだと思います。値段もうちの予算に合わなかったのですが。

木造を真剣に考え出して木造間の構造上の差が段々気になりだしました。実は最初からいわゆる木造軸組みは避けていたのですが、やはり正解だったように思います。このページでは木造軸組みと2x4について私なりの考えを述べてみたいと思います。


木造軸組みは在来工法などとも呼ばれますが、柱と梁でマッチ棒細工のように四角形の骨組みを組んで筋交いと言う対角線状に強度を持たせるための板材を入れるのが構造の基本となります。柱と梁だけだと横方向からの力に対しては全く耐性がありません。このために歪みに対する強度を持たせたいなら筋交いを沢山入れる必要があります。2階、3階からの力(重力)を受けるのは柱です。
 


木造軸組みの構造
左側:マッチ棒細工のように4角形の骨組みを組む。
それだけだと横方向からの力に歪んでしまう。
右側:そこで筋交いを入れて横方向からの力に耐性を持たせる。

一方、2x4では考え方が違って基本構造は柱(線)ではなく面になります。構造用の合板の上下左右に2x4の語源にもなっていると柱状木材(2x4材などと呼ばれる)を打ち付け、さらに上下方向の力を受けるために何本かの2x4材を追加したもの(ダイアフラムと呼ばれます)を基本単位とし、これを四角の箱を組むようにして家全体を作ります。この構造では上下の力(重力)だけでなく横方向(歪み方向)の力にも自然と強くなります。このように柱と面で合理的に立体構造の強度を持たせる考え方を構造力学的には「モノコック構造(応力外皮構造)」と呼びます。

2x4では基本構造のダイアフラムを組んだりそれを組み上げるのに大きな熟練は必要とされません。米国発祥らしい合理的な構造だと思います。これに対し木造軸組み工法では柱と梁を接合する部分に「ほぞ」と言って正確に作られた穴に凸を挿入して接合する、という熟練を要する施工が必要となります。近年優秀な大工さんが少なくなるにつれ木造軸組みの家をきちんと性能を出して作ることは難しくなっています。
 


2x4の構造
左側:構造用合板に2x4材を四方に打ち付けたダイアフラム
と呼ばれる基本単位。これ自体が横方向力に耐性がある。
右側:それを4方形に組むことであらゆる方向からの力に耐性が生じる。

そればかりではなく木造軸組みでは柱の太さや筋交いの数は建築基準法や住宅金融公庫の手順書はありますが、完全な意味で明確な指針がなく、これが手抜き工事を生む温床になっています。建売りに木造軸組みが多いのはそのせいだと思います。土地と建物で合わせてリーズナブルな値段の家を提供しなければならないとしたら家の建築の何がしかを削るしかありません。木造軸組みでは目に見える内装や外壁と言ったところ意外に柱の太さや筋交いなどで幾らでも手を抜いてコストダウンをすることが可能です。

建売りでないにしても複数メーカーの競合によってコストダウンを図っている時に、競合状況を見てあるメーカーが「うちはさらに200万円引かせてもらいます」と言った時、あなたは素直にそのメーカーに建築を依頼することが出来ますか?


私が最初からメーカー住宅に建築を依頼することにしていたのはこのようなことを漠然と理解していたからでした。ある程度名の通ったメーカーの場合(少なくとも建前としては)住宅金融公庫の基準以上の社内基準で建築をします。途中で何回かの社内チェックが入ります。(役所のチェックも入りますがあてにはなりません)ただ残念ながら「少なくとも建前は」と書いたのは建前が建前で終わっている大手メーカーもあるからです。ここから先は自分自身で力をつけて工事を見守るしかありません。とは言え家作りのプロにいきなりなることはかないませんから、現実的な選択岐は2,3に絞られると思います。

  • 色々なところで評判を確認して信頼出来るメーカーを選び、基本的にはおまかせする
  • 自分で多少とも勉強を覚悟してメーカーさんと一緒に作る
  • 施主の立場にたって仕事をしてくれる設計事務所や設計施工屋を探しそこに全てを依頼する
  • 施主の立場にたってチェックをしてくれる設計事務所を探してそこにチェックのみを依頼する
私のやり方は1番目と2番目の中間と言うところでしょう。運良くいいメーカーといい担当者さんにはめぐり合えたようですから、自分でも色々勉強してフォローしていきたいと思ってます。どうあがいても10個や20個の施工ミス(「キズをつけた」的なものを当然含めて書いてますが)は出ることは先例が証明していますから。

話しがだいぶそれてしまいましたが、2x4自体が構造躯体としてある丈夫さの保証になっていると考えられます。(耐久性という意味では別の議論がありますが)私は最終的に2社に絞って具体的なプランニングをしましたが、1社は2x4であり(Mホーム)、1社(Sハウス)は木造軸組みでありながら2x4と同じく構造用合板を貼ることでモノコック構造の持つ強度を取り入れています。Sハウスの木造軸組みでは前に述べた「ほぞ」の問題も金物を取り入れることで克服しています。したがって最終的にこの2社の間で悩んでいた時、構造的な面では全く同等のものとして悩まずにすみました。

神戸の震災では建築年数のいった在来木造と欠陥建築のやはり在来木造がバタバタ倒れたと言います。むべなるかなと思います。


木造軸組みを称して「零戦のようだ」と書いている方がどこかでいっらしゃいましたが、その通りだと思います。名人芸がないときちんと性能が出ない、工業生産的に見ると効率が悪く、高性能なものを沢山作るには向かない。そんな工法だと思います。それに比べて2x4はドイツや米国の飛行機のようです。そこそこ高性能なものを、熟練作業者なしにどしどし作ることが出来ます。

機械構造物という意味で飛行機や船と家や建築物は構造力学という学問を共有しています。そのために似たような話し(アナロジーとでも言いますか)がごろごろとあります。

モノコックと言うと(また飛行機で恐縮ですが、、(^_^;;) )私は第2次大戦の英国のハリケーンとスピットファイヤーと言う戦闘機を思い出します。この2者は同じエンジンを積んでデビューしたそうなのですが、ハリケーンの方がデビューが少し早く、そのために旧来的な構造を持ってました。いわば「軸組み」構造とでも言うもので(多分なんとか言う呼称があると思うのですが)柱のような構造材を組んで、表面には布を貼ってました。それに対してスピットファイヤーはアルミ外皮とアルミの構造材によるモノコック構造で効率良く強度を持たされていましたので、同じ強度を出すのにより軽くなっていたのです。

同じエンジンを搭載すれば軽い方が性能が出るのは当然です。その後ハリケーンはスピットファイヤーに取って代わられました。

ちなみに近代の飛行機はモノコックよりもさらに軽くて強度が出るハネカム構造の外皮を用いて作られてます。(ハネカムと言うのは蜂の巣のことです)身近なところではダンボールに似た構造体です。モノコック構造よりも強度が出る構造体です。MホームやT建設などで使われているRコントロールパネルもこのハネカム構造に良く似たサンドイッチ構造の素材です。「理にかなっているな」と思いました。


ちょっと長くなってしまいましたが、私の軸組みと2x4に対する考え方をつれづれなるままに((^_^;;))書きました。

ちなみに木質パネル工法は各社まちまちでいちがいにどうのとは言えないようですが、2x4にだいたい近い工法になっているようです。パネル工法の場合は強度うんぬんにはあまり気を使わずにプランが思ったようなものになるのか、とかグレードとかについて気にした方がいいのではないかと思います。この手の工法は自由度がない、というのが欠点になっていることが多いですから。
 

私が不勉強と値段やら何やらの諸事情で多少妥協してしまった問題に「結露と耐久性」の問題があります。この点については住みながら答えを見出していくのかな、と思っています。
 

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