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曇る窓、暖かい場所
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はい、ここで質問です。
「おでんと言えば?」
「牛スジ!!とこんにゃくとぉ、たまご!!」
「うーん、はんぺんかなぁ…」
「ちくわ」
何を突然、とカカシを見上げる3人の子供が皆キョトンとしている。
「ハハ、惜しいナァ、おでんといえば」
『いえば?』
「大根だろう!!」
「ハァ?」
「なんで?」
「………」
カカシは得たり、と笑ってこう言った。
「大根ってのはな、おでんの他の具材の旨みや出汁を吸うからそのおでんの
味が一番良く出るんだよ」
「へー」
でも!俺はおでんよりラーメンの方がいいってばよ!!とナルトがビシッ
と指差し宣言すると、じゃ!オレぁイルカ先生にラーメンおごってもらう
からァ〜!!と元気良く駆けて行った。
「…あんまり薄給の教師にタカるなよ〜…」
とのカカシの呟きは既に姿も見えないナルトの耳に入る筈もなく、ポツンと
サクラとサスケ、カカシの3人が残された。
「あ!アタシもお母さんに夕飯の手伝いしなさいって言われてるんだった!」
じゃ!さよならぁ、サスケくんvVと(ついでに)カカシ先生。と言ってサ
クラはサクラでナルトの駆けて行った方向とは逆の道を小走りに去っていった。
「…………」
「………」
そんな訳で二人ぼっちで残されたのはカカシとサスケである。
「あ、オイ」
テクテクと何を言うでもなくサスケも帰路につこうとするが、カカシが
片手でサスケの襟首を掴んだ。
「…何だよ」
「エート…そうだ、おでんでも食いに行こう」
「ハァ?」
話の流れからしておでんが出てくるのは判るけど、なんでカカシと一緒に
自分が夕飯を食べなくてはならないのだ?と、サスケが迷惑気な顔をするが、
カカシは構わずニコニコとサスケをひきずって歩いていったのである。
「で……」
「で?」
「おでん食いに行くってなんでオレが作らなきゃなんねぇんだよ!!」
ダンッと勢い良く大根を真っ二つにするとサスケが振り向きざまに居間
で寛ぐカカシに包丁を突きつけた。
「人に刃物向けちゃアブナイヨー?」
ジャケットも脱ぎ、炬燵に入って寝っ転がっているカカシがノンビリと
笑いながらみかんを剥く。
「勝手に食うな!!」
キィッと目くじらを立てるサスケに構わず、カカシは房をわけると、サ
スケの口に押し込む。
「何しやが…筋くらい取れ」
もごもごと口を動かしながらサスケが舌触りが悪いのだろう、気持ち悪
そうに顔をしかめる。
「何言ってんの、そこは栄養が多いんだから、ちゃんと食べなさい」
リンゴだって皮に近い方が栄養価高いんだよ?強くなりたいんでしょ、
と説教するカカシに、サスケは不機嫌な顔を向けるが、
「あ、美味い」
自分もみかんを口にして、カカシがヘラヘラ笑っているのに、明らかに
自分の怒りがカラマワリしているのが判って、馬鹿馬鹿しくなったサスケ
はため息をついて夕食の支度に台所へと戻る。
(どっちが子供だかわかったモンじゃねぇ)
「おい、起きやがれ」
ぐう、と炬燵で居眠りしていたカカシの背中をサスケがぐりぐりと踏み
つける。寝いった処を起こされて、ぼんやりとカカシが鼻をひくつかせた。
やんわりと台所から居間全体へと蒸気が立ち込めていて、部屋中が暖か
い。ぼんやりとしたままカカシがちゃんと座りなおすとサスケは大きな鍋
を炬燵机の上にどんとのせた。
「あ。おでん」
ボケッとしたままのカカシが呟くと、
「アンタが食いたいっつったんだろーが」
呆れ顔でサスケが箸と取り皿を渡す。カカシが蓋を開けると、蒸気が立
ち上る。薄茶色をした出汁の中にふつふつと卵や、練り物の他にちゃんと
大根も煮えていた。
「言っとくけどな、時間無かったからあんまり出汁とかしみてないから美味
くないぞ」
予備の丼につけたご飯をカカシ用だとドンと置いて、自分用の小ぶりの
茶碗にもご飯をつけて、カカシの正面に座る。
「いただきます」
「はい、どうぞ」
「…アンタな…」
アンタが作ったんじゃねーだろと言うサスケにハハと笑いながらカカシ
はおでんをつつく。
「うん、美味い」
いい嫁さんになるよ、サスケくん、と軽口を叩くカカシの皿にサスケが
タップリのからしを入れてやったのは言うまでも無い。
「あー食った食った」
「片付けぐらいしろテメェ」
再び炬燵に寝転がるカカシの頭を蹴飛ばして、サスケは後片付けをする。
「ねぇ、サスケくん」
「あ?」
食欲を満たして、カカシは次は睡眠欲を満たそうとしているらしい。少
し呂律の回らない声で洗い物をしているサスケに声をかけた。
「ご飯ってさぁ…一人で食べるより、誰かと一緒に食べた方が美味いね」
「………」
少しの間サスケが皿を洗う水道の流れる音だけが響き、キュ、と蛇口を
閉め、洗い物と片付けを終えたサスケが居間に戻ると、カカシはすっかり
寝入っていた。
何時もの覆面も、額当ても外した担任の寝顔は、存外に幼くて、熟睡し
ている姿はとても里一番のエリートと言われた上忍とはとても思えない顔
である。
(なんかちょっとマヌケ)
すとんとカカシが横たわっている側に座ったサスケは、その顔をマジマ
ジと眺める。
見慣れ無いカカシの素顔は、多分年頃のお嬢さんあたりが見れば頬を染
めてどきまぎする位には整っている。サスケにとってはあまり意味を成さ
ないらしいが。けれど、もの珍しくて、他の誰も知らないだろうあまりに
リラックスしきった姿を見て、少しばかりサスケは他の誰相手という訳で
もないけれど優越感を覚える。
(オレだけしかいないから、こんな顔して、眠ってんの?)
知らず、笑みを浮かべていた自分に気づいて、サスケは顔を顰めた。
「…チ、バカバカし」
んが、と高イビキをかいているカカシの鼻を指で思い切り抓んでやる。
「フガガッ??!…サ、サスケ?」
「人ン家で寝てンじゃねーよ」
「ん、ん〜???」
「とっと帰れって」
「………グウ」
「あ!てめ!寝るなっつってんだろ!!」
息を止められて、一度はムリヤリ起こされたものの、カカシは半眼でサ
スケの顔を見やると再びバッタリと寝入った。
「ちょ、カカシ!オイ!!コラ!!」
炬燵で寝るなー!!風邪ひくだろう!!とちょっぴり主婦っぽい叫びが木の
葉隠れの里の夜空に空しく響き渡った。
結局、カカシは朝ご飯もおでんを食べる事となったのである。
低血圧で不機嫌な上、足癖の悪い少年のモーニングコールと共に。
おわり。
今年入って初おでん食べました☆ときにホロリと思い出したネタです。
あるミュージシャンのツアードキュメントっぽい本にあった「おでんといえば大
根」からネタ発生してます。<TMNのEXPOツアードキュメント。パクリ人生です……。
牧村サイコさまに相互リンク頂いたお礼と、10万打お祝いにささげさせていただきます☆
友人I田のスペサルナイスツッコミ感
カカシ先生はサスケをどうやって丸め込んだの!?(笑)
だってサスケが素直におでん作るとは思えんもん。
しかもサスケん家でしょ〜。
家から追い出さないでご飯作ってあげて…。
これってやっぱりカカシ先生のコト意識してんだよね。
んで、文句いいながらも作ってあげる、と。
ふう。要するに出来あがる1歩手前ってトコか!?
後は味が染み込むのを待つばかり〜ってね。
…でも、カカシ先生はそれでも十分美味しいんだよな(笑)
あと、ちょっと言いたい!!
ミカンを食わすのはイイ。「はい、あーん♪」状態も別に構わん。
ただ、筋をとるな、筋を!!
みみっちい!!
と、ゆう訳で最初白い筋をむいむいしてたカカっさんから、
食物の栄養価について講釈をたれる彼へと変わったのです。(苦笑)
み、みみっちいか……。
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