地研ニュース111号
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111号

2004年10月25日
旭川大学地域研究所運営委員会

〒079−8501
旭川永山3条23丁目
TEL(0166)48−3121(代)
FAX(0166)49−2552

平成16年度地域研究所第1回研究会

◎日 時    平成16年9月10日(金) 16:20〜17:50
◎開催場所  旭川大学 北辰会館 2F国際会議場
◎テ ー マ  日本版金融ビッグバン-現状と課題
◎報 告 者  石河 庄一(信金中央金庫審査部長)

司会 コメンテーター
旭川大学教授/旭川大学地域研究所長 竹中 英泰 日本銀行旭川事務所長 安藤 伸次

日本版金融ビッグバン  現状と課題
1.バブルの崩壊と護送船団方式の終焉
2.日本版金融ビッグバン
3.これからの金融仲介業
4.地域金融機関の役割
 「明確な改革計画のある経営陣が銀行を運営すればこれだけのことが達成できる。それを新生銀行はまざまざと見せつけた。言い方を換えれば新生銀行は金融システム全体を揺さぶるのに貢献した。黒船到来の衝撃の意味が19世紀の日本で理解されるまで数年かかったのと同じように、新生銀行の衝撃によって得られた利益と損失の意味が表に出るのはいましばらく時間がかかるのではないだろうか。」(ジリアン・テット『セイビング・ザ・サン』日本経済新聞社、2004年5月)
 講師の石河さんは北海道大学卒業後、日本長期信用銀行に就職し、バブルとその崩壊、経営破綻→特別公的管理(国有化)→リップルウッドへの売却→新生銀行としての再出発という激変を経験されています。報告ではそうした実体験も交えながらバブルの一端と再生の道筋を紹介し、かといって、銀行再建にとってアメリカ流ビジネスモデルが全てではないとのメッセージを残していました。
 金融は経済というボデーの血液だと言われています。地域社会にとって地域金融機関はなおさらに大切な血液です。グローバル化という基準で計れない課題について、経営相談や支援機能などリレーショナルバンキングの機能強化を訴えて報告を閉じていました。
 なお、フロア参加の安藤伸次日銀旭川事務所長から貸出債権の証券化等、金融業界の新たな展開についてコメントをいただきました。フロアーには51名の学生の他、旭川信用金庫から安藤徹常務ほか3名、武市徹中小企業金融金庫旭川支店長、岩田豊旭川財務事務所長、蛯名信幸旭川市議会議員、内田知博旭川産業高度化センター課長補佐、竹中護上川支庁経済主幹、そして今田孝司信金中央金庫旭川分室長の参加がありました。本学からは小黒正夫教授、浅田政広教授、戸水功専務理事が参加しています。 (竹中英泰 記)


平成16年度 地域研究所 第1回 見学会

旭山動物園見学会 旭川市東旭川町倉沼
平成16年度開園期間 夏期 4月29日〜10月17日 
               冬期11月 3日〜 3月27日
☆日  時☆ 平成16年9月16日 
15:00〜17:30
☆場  所☆ 旭山動物園
☆参加メンバー☆ 竹中 英泰   旭川大学教授
浅田 政広   旭川大学教授
小黒 正夫   旭川大学教授
平山 雄三   旭川大学教授
戸水 功    旭川大学専務理事
中根 実    旭川大学地域研究所室長
稲場 亜由美 旭川大学入試広報課員
撫養 明    旭川大学経済学部学生(3年)
中野 祐輔   旭川大学経済学部学生(3年)
加藤 雅士   旭川大学経済学部学生(3年)
朝倉 賢一   旭川大学経済学部学生(3年)
村田 英剛   旭川大学経済学部学生(2年)
<東門に集合しました> 小菅正夫園長さん

☆★東門にて記念撮影★☆
☆★おやつを食べるオランウータン★☆
☆★オランウータンの空中散歩を眺める★☆


今回の見学先は、旭山動物園。7/27の運営委員会で夏休み明け9/16の訪問・小菅正夫園長のガイドを申し入れました。但し、議会開催中であれば副園長によるガイドという留保付きでした。
 個人的には、本学短期大学部で解剖生理学や生化学実験等を担当(非常勤)されている前園長の菅野浩先生とは、昼食時によく動物園事情についてレクチャーを受けてもいました。加えて、手元には、本地域研究所運営委員・小野崎保教授によりまとめられた「動物園が地域経済に及ぼす影響―旭山動物園および園内施設整備にかかる経済波及効果分析報告書」(平成14年3月)と題する旭川市役所の報告書もあります。8/23には夏休みで訪ねてきた東京の知人を連れて予習に行き驚嘆。想像以上に楽しく飽きさせない工夫に目を見張りました。しかし、その驚嘆は、今回、小菅園長じきじきのガイドを通して見聞を深めたことからみればほんの一部にしか過ぎなかったようです。当日は東門に学生5人を含め12人が集合、さあ入場、といったときに事務所から小菅園長が菅原功一旭川市長と一緒に現れお見送り。この日の市議会は午前で終わり、さぞかし市長を交えて来年以降の施設充実等の打ち合わせだったのでしょうか。報道では「チンパンジーの森」の建設が予定されているとか。ともあれ、お役ご免になった小菅園長はその場で上着を脱いでガイドに当たっていただきました。園内事情と驚きの工夫等は参加者の声(裏面)で確かめてください。  (竹中 英泰)
☆★6月オープンのあざらし館★☆
☆★2頭で仲良しこよし★☆
☆★円柱水槽のあざらし君★☆

見学参加者の声

◎旭川大学経済学部経済学科 3年 朝倉賢一
あまり動物園に行ったことがない私は、動物園は「動物を見せるだけ」で子供が楽しむもの、大人はそんなに楽しめないと思っていた。しかし、旭山動物園は違った。施設の一つひとつに動物を身近に感じられる細かい工夫がされていた。
 まずはさる舎。ここにはワオキツネザルなどがいるのだが、檻が手前に傾いている。これにより檻の中の動物たちは手前に集まってきて人々の近くで姿を見せてくれる。
 続いてオランウータン舎を見学した。そこではちょうど飼育係の説明が行われていた。そして、オランウータンの空中移動を見ることができた。行動展示という旭山動物園らしさが見ることができた。空中移動を行う予定だったのだがオラウータンがなかなか移動しなかった。かといって、オランウータンに無理矢理移動はさせず、あくまで動物の自主性に任せるというものだった。空中移動が終わるとみんなが拍手していた。
 次にさる山を見学した。このさる山の一番素晴らしいところは、さる山を側面からみる窓があること、日本で唯一という横からさるを見るというところだ。横から見ることにより従来の上から見下ろす時よりさるを身近に感じることができた。さらにこのさる山を見て他の動物園と違うと感じた部分は、さるがよく動き回っていることだ。これにも旭山動物園ならではの仕掛けがあった。それは、エサのやり方に秘密がある。エサをただあげるのではなく、箱の中などに隠す。そうすることによりさるが常にエサを探し回り、見ている人々を退屈させない。簡単なようで、さるの習性がわかっていないとできないことである。
 続いてほっきょくぐま館を見学した。ここでも印象は動物がよく動くというもの。ほっきょくぐまは頻繁に泳ぐ姿を見せてくれた。これにも秘密がある。ほっきょくぐまが水槽ごしに見ている人々を水面から顔を出している動物と勘違いし、迫ってくるという仕組みだ。
 残念ながら先日ほっきょくぐまの「カンゾー」が亡くなってしまったが、ほっきょくぐまとしては珍しいくらい長生きをしたという。これも旭山動物園が動物にストレスを与えず住みやすい環境を与えているから

◎旭川大学経済学部経済学科 2年 村田英剛
今、旭山動物園が旭川にもたらす経済効果はすごいものがあります。旭山の人達の努力により旭川の景気回復に向かって欲しいものですが・・・。旭山動物園にはまだ小さかった頃に何度も行った記憶があります。幼心に残っている動物園のイメージがあったので、正直今話題になっているのが半信半疑でした。こう言った時には地元の人間ほど事情がわからないものです。旭川という土地柄が否定的な発想をもたらしていることがあります。札幌の円山動物園や上野動物園に比べて田舎にあって、狭い。昔行った時のあまりぱっとしなかった印象からではないでしょうか?この段階では私も否定的なイメージを持っていました。ぺんぎん館やあざらし館なんてただぺんぎんやあざらしが居るだけでしょ?と思っていたのです。
 私も円山動物園や上野動物園を見たことがありますがとにかく広かったと言うことが印象に残ってます。そんな動物園よりも何が優れているのか?メディアの相乗効果ではないのか?と考えていましたが、行ってみなければ分らなかったでしょう。従来の動物園は檻の中を離れたところからのぞくのが一般的でしたが、旭山動物園は自分の視点で間近で見られる工夫がされている。子供からお年寄りまでもが楽しめ学べるところがリピーターを呼ぶのだなと感じました。そして来園者のことだけではなく、動物たちのことにも気を配っていると言うことが分りました。さる山やもうじゅう館など様々な試行錯誤のうえ、ただ無意味に檻の中をつくるのではなく自然の環境を意識した施設が作られていると言う話を園長さんから伺って、こう言った気配りが人気の秘密なのだと実感しました。失敗と工夫を経てなされるエンリッチメント、これからもそうした試みを続けて動物たちと市民のためにより良い動物園にしていって欲しいものです。

◎旭川大学経済学部経済学科 3年 中野祐輔
私が旭山動物園に行って感じたことは、見せ方にこだわると言う、他の動物園とは違う考えだった。さるの檻の設置の仕方は手前の檻を斜め前に傾けることで、より人との距離が近くなりさるがそこに座ることができるなどの工夫がこなされている。
 もうじゅう館のゆきひょうは警戒心の強い動物で、その習性を利用して檻を高いところに設置する事で眠る仕草を見ることが出来る。動物の習性を知っているからこそ出来る見せ方だと感じた。
新しくできたぺんぎん館、ほっきょくぐま館、あざらし館では水の中を生き生きと泳ぐ姿が見られた。あざらしは人に興味があるらしく、人が来ないと筒の中は泳がないという話だ。
 ほっきょくぐまが水の中に飛び込むのにも工夫されていて、ほっきょくぐまから見ると人の顔が水面に浮かんでいる獲物に見えて飛び込んでくると言う話だ。
 人と動物がお互いに楽しめる動物園だと感じた。見せ方により動物が生き生き見え、何度来ても違う仕草が見られることが日本一になったことだと実感できた。来年出来る予定のチンパンジー館が待ち遠しく思った。

◎旭川大学経済学部経済学科 3年 撫養明
 地域研究所のお誘いにより動物園見学会に参加した。
プライベートでは何度も行ったことがあったが、今回は地域研究所の見学会ということで小菅園長さんにガイドしていただきながら園内を見ることが出来た。平日の昼間であったにもかかわらず沢山のお客さんでにぎわっていた。
 オランウータン、ぺんぎんのもぐもぐタイムはとても楽しく見学が出来た。
 見学会が行われた前の週に、とても強い台風22号が北海道に直撃していたので動物園への被害が気になって質問した。園内の樹木も何本か倒れたとのこと。朝、東京など遠来の見物客もいたので予定通り開園した。事故は無かったが早目の午後2時には閉園したとのこと。動物への直接の被害がなかったようなので安心した。
 我々にとってとても身近な公共施設である旭山動物園は近年、全国的に有名になっており今後、どのように発展していくのかがとても楽しみだ。これからも何度も遊びに行きたいと思っている。

◎旭川大学教授 小黒正夫
 旭山動物園から何を学ぶか今回の地域研究所の見学会は私にとって大変興味深いものでした。小菅園長自ら案内していただき、動物園がこうなったいきさつや、具体的に動物たちの習性等とても興味のあるお話を伺うことが出来ました。それらについては多分他の参加者が書くと思われますので、ここでは私なりに「旭山動物園から何を学ぶか」というテーマを設定して思いつく事柄を記してみたいと思います。「旭山動物園から何を学ぶか」といっても、例えば地域活性化にとって、あるいは企業経営の観点から、等々さまざまなアプローチがありうると思いますが、ここでは「旭川大学」として「旭山動物園から何を学ぶか」という観点に絞って考えてみたいと思います。
・危機の時に新しい発想による新しい投資を行う。旭山動物園は平成8年に入園者数の最低数(約260、000人)を記録している。閉園という言葉もささやかれた時期であった。ところがその時期に新しい発想による新しい投資が実施されはじめたようである。衰退している中で何もしなければそのまま尻すぼみになってやがては消え去ることになるであろう。危機を逆手にとって生まれ変わる、という発想を学び取ることが出来るのではないだろうか。その際注意をすべきは、単にお金をかければよいと言うことではなく、「新しい発想による」ということがポイントになるであろう。
・動物の習性を熟知してそれを生かす。もうじゅう館、さる山、ぺんぎん館、オランウータン空中運動場、しろくま館、あざらし館、と次々と整備が続いた。小菅園長の言うキーワードとしての「Enrichment」というコンセプトに基づいたもののようだ。つまり、それぞれの動物の習性を熟知して、どのような環境を用意したら動物が動物園の中でも生き生きと生活するのかと言うことであろうと私は理解した。そしてその事は多分彼らとよくつき合うことを通じて、動物自身から学んだことであろう。旭川大学に置き換えると、学生諸君と動物を一緒にするつもりはないけれど、旭川大学で学生諸君が青春の一時期を充実して、生き生きと過ごし、旭川大学でよかったという状況をどうつくりだすのかということになるだろう。
・驚きと感動を与える。正直なところ、もうじゅう館、さる山はそれほどのインパクトはなかったのではないだろうか。ぺんぎん館とオランウータン空中運動場が出来て俄然様子が変わってきたように思える。しろくま館とあざらし館がさらにその傾向に拍車をかけたように思われる。あまり知らなかった動物の意外な一面を知る。それと動物と見学者との距離の近さがあるように思える。その事が見学者に驚きと感動を与えているのではないだろうか。旭川大学が学生や地域住民に驚きと感動を与えるためにはどうすればよいのか、という発想が求められる。
・対応し切れていない面が現れているのではないだろうか。ここで一つ問題点と感じたことを指摘しておきたい。あまりに急激な入場者数の増加によって、予期せざる問題点が発生してきているのではないだろうか。具体的には駐車場の問題、アクセス道路の渋滞の問題、等である。旭山動物園が近隣住民から迷惑施設と思われる前に適切な対応策を講じる必要があるだろう。旭川大学は特に永山地域の方々に大変お世話になっている。永山にとっても旭川市全体にとっても旭川大学の存在がプラスに、出来れば誇りになるように発展していく必要がある。
 以上4点に渡って私なりに学び得たことを記してみましたが、これに止まらずさらに色々な示唆をくみ取ることが出来るでしょう。私の立場からすれば何時も「旭川大学にとって」という観点が念頭から離れないところです。改めてこの見学会を企画された地域研究所と案内の労をとって下さった小菅園長にお礼を申し上げます。

◎旭川大学入試広報課 稲場亜由美
 何年か前まで動物園のイメージは、灰色のコンクリートに黒い檻の中で動物は寝ていて愛想が無いといった感じたったのですが、旭山動物園にぺんぎん館が出来た時に行ってみると今まで私が思っていた動物園とはすっかり違っていて、かなりの衝撃を受けたのを今でも覚えています。ほかの動物園との違いは、動物との距離が近くぺんぎん館・あざらし館・ほっきょくぐま館は水族館のように水中の動きを見ることが出来、もうじゅう館・さる山・オランウータン舎は正面からだけではなく上から下からなど色々な場所から伸び伸びと生活している動物を見ることが出来るところです。旭山動物園の動物は長い時間見ていても飽きるどころか、色々な動きを見ているうちに愛着が出てきてすごく癒される気がします。
 今回の見学で、生き生きと生活している動物たちを見ているとたくさんのシャッターチャンスがありいつの間にか気づけば100枚以上の写真を撮っていました。旭山動物園は動物を生き生きと生活できるように細かい工夫がたくさんあり、性質や特色を調査・研究した上でそれぞれの動物に合った見せ方や、もぐもぐタイムといったアイデアや、動物の生態や習性を私たちに解かりやすく説明してくれる飼育員さんのすばらしい努力にとても感激しました。

編集後記
 平成16年度旭川大学地域研究所第1回見学会(旭山動物園)は全行程小菅園長さんの解説つきという贅沢なものでした。記録担当として参加したのですが、園長さんの蘊蓄のある説明に撮影をするのを忘れて聞き入ってしまいました。動物を知ることは人間を知ることにもつながると云うことをあらためて認識しました。
        ***新格言を一つ「人を知り動物を知らば諸事危うからずや」***
 園長さんのリーダーシップ、動物園職員の方々のアイディア創出、良好な人間関係によって今日の旭山動物園になったと思います。
 一緒に参加した学生撫養明君(経済学部経済学科3年)からスキルアップを兼ねて地研ニュースの作成にボランティアで取り組みたいと申し出がありました。それではということでビシビシ鍛えることを条件に当方は承諾しました。彼は講義の合間を縫ってめげることなく取り組みました。作業は全て撫養明君が行いました。その結果がご覧の地研ニュース111号です。DTPソフト「ページメーカー」及び画像処理ソフト「フォトショップ」の初期段階の操作をマスターしたと思われます。やればできる。旭川大学にも即戦力になりうる学生がいるのだ。
 写真提供にご協力してくださった、入試広報課鈴木啓太さん、稲場亜由美さん、学生 撫養明君に感謝申し上げます。(中根 実)