地研ニュース107号
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旭川大学地域研究所の活動紹介


2003年10月9日 発行
旭川大学地域研究所運営委員会
〒079-8501 旭川市永山3条23丁目
TEL (0166)48-3121(代) FAX (0166)49-2552


平成15年度 第1回 地域研究所見学会

忠別ダム現場見学
★日 時  平成15年9月19日(金) 13:00〜15:30
★場 所  忠別ダム
★参加メンバー
竹中 英泰旭川大学地域研究所長(旭川大学教授)
浅田 政広旭川大学地域研究所研究員(旭川大学教授)
金子 昌旭川大学地域研究所研究員(旭川大学教授)
梅谷 俊一郎旭川大学地域研究所研究員(旭川大学教授)
戸水 功学校法人旭川大学専務理事
中根 実旭川大学地域研究所事務室長
佐藤 恵理香旭川大学地域研究所事務室員
稲場 亜由美旭川大学事務局入試広報課員
川本 妙子NPO石狩川サミット職員
撫養 明旭川大学経済学部学生(2年)
幡司 綾音旭川大学経済学部学生(3年)
幡司 つかさ旭川大学女子短期大学部学生(2年)
三浦 小波旭川大学女子短期大学部学生(2年)

完成予想図
●型 式/複合ダム
●提 高/86m
(コンクリート部86m、フィル部78.5m)
●提頂高/885m
(コンクリート部290m、フィル部595m)
●提体積/8,680,000m3
(コンクリート部980,000m3、フィル部7,700,000m3)
●集水面積/238.9km2
●湛水面積/3.7km2
●総貯水容量/93,000,000m3
 


複合ダムとは
忠別ダムは、重力式コンクリートダム(左岸側)と土、砂利、小石などを積み重ねた中央コア式フィルダム (右岸側)の二つのダムを結合してつくられます。このような型式のダムを複合ダムといいます。

 平成18年に完成予定の忠別ダム建設現場を見学しました。 今回は、とくにダム本体の最下底部、左岸側から右岸側まで800m強のトンネル=監査廊の視察が圧巻でした。岩盤状態の点検、漏水量測定、止水のためのセメントミルク注入などに備えたトンネルです。エレベータも設置予定ですが私達は徒歩、上り下りが結構きつくて、翌日には筋肉痛を訴えている向きもありました。(竹中英泰記)

北海道開発局旭川開発建設部

忠別ダム建設事業所
伊藤禎朗所長の挨拶のあと、ビデオ(20分)で概要説明を受けました。



忠別ダム現場
現場は、東川町、美瑛町、東神楽町にまたがっています。
伊藤所長の案内で現場へ
フィルダム前の入口から監査廊へ



中央コア式フィルダム下の監査廊
監査廊は端から端まで800M強、フィル提体部分では岩盤内に作られています。
フィル提体下部のうち砂利層の厚いところでは「連続地中壁」を作る。セメントミルクを打ち込む現場を見学しているところ。
監査廊から上ってくるところ。




川下から見た重力式コンクリートダム
横から見たコンクリートダム提体。 完成時には開放部分が埋められ、背後のコンクリート提体からの放水を一時堪める第2堰となる。
下部中央の穴は、工事期間中に予想される洪水に備えた仮水路、完成前には埋められる。
横から見たコンクリートダム提体。
完成時には開放部分が埋められ、背後のコンクリート提体からの放水を一時堪める第2堰となる。


インフォメーションセンター
視察の最後にインフォメーションセンター(平成14年5月オープン)で再確認。
案内していただいた伊藤禎朗所長(右)と竹中英泰旭川大学地域研究所長(左)




旭川大学経済学部経済学科2年 撫養 明 (むや あきら)
ゼミの先生に誘われて参加した忠別ダム現場見学会はあいにくの雨。気温も低く、霧がかかっていたため、外では全体を見わたすことができなかった。  実際にダムの中に入ってみると監査廊というトンネルは思っていた以上の規模でした。トンネルから上がって、コンクリート提体の側に来ると、ダムというだけあってものすごい迫力でした。工事に使用している車両なども街なかでは絶対に見ることのできないとても 大きなものでした。中でも90トンダンプは、普通の車がオモチャに見えてしまう程の大きさでした。 日本に3台しかないといわれているバックホウは天候が悪かったせいか、はるか遠くに見るだけでした。今回は一般の見学者では入ることのできない現場などもみることができ、とても貴重な体験ができました。
旭川大学経済学部経済学科3年 幡司 綾音(はたし あやね)
忠別ダムは、石狩川の洪水による氾濫から人々を守ったり、川の水量を調節して川の中に住む生物を守ったり、田畑の農業用水を確保したり、家庭で使用する電力を提供したり、私達の生活には欠くことのできない水道用水の補給をしたりとかの目的を持って作られる「多目的ダム」とのことです。構造は、「フィルダム」と「重力式コンクリートダム」の2つを合わせて作られる『複合ダム』であり、複合ダムとしては日本最大規模のダムとなります。  私は小学生の頃に、忠別ダムサイト特設ステージで行われた宗次郎コンサート(’94年7月9日)へ行ったことがあります。コンサートが行われた場所は、ダムの湖底となってしまう場所でした。当時私は、「こんな広い所が水でいっぱいになるなんて凄い!」という期待と「ここに生きているたくさんの木などの緑が無くなるんだ…」という寂しさを感じたのを覚えています。  あれから約10年が経過し、土と木ばかりでただ広かった場所には、大きなダムが姿を現わしていました。今回の見学の中心は、ダムの内部の作業の様子などを視察することでしたが、外では土や石でできているフィル提体部を間近でみることが出来ました。中にはすごく大きな石がたくさん積んであり、「これはどうやって運ぶのだ!?」とびっくりし、ダムを作るにはたくさんの人達、機械、知識、お金、そしてたくさんの土石などと、ものすごく大規模な協力が必要だということを感じました。
旭川大学女子短期大学部2年 幡司 つかさ(はたし つかさ)
ダムを見学して一番に思ったことは、「でかい!!」ということです。ダムになる場所なので広い土地なのは当たり前なのですが、ダンプカーやショベルカーなどのトラックがものすごく大きくて驚きました。乗ってみたかったです。普通は入れないトンネルも見学しました。転ばないように下を向いてばっかりだったのであまりよく覚えてなく、もっとしっかりと見学して来るんだったなぁと思いました。   完成したらまた見学しに行き、3年前はこうだったなぁと振り返ってみたい。普通じゃ経験できない貴重な体験ができて良かったです。
旭川大学女子短期大学部2年 三浦 小波 (みうら こなみ)
現在、建設中の忠別ダムは、周辺の森や動物などへの影響をできるだけ少なくなるようにさまざまな工夫がされていました。ダムをつくる時に必要な土や石などの材料は、すべて川底にあるものを利用し、資源を有効に活用しています。ダムをつくるときに使われた水は、濁水処理施設できれいにして川の水質を守っていました。ダムには、洪水調節、流水の正常な機能の維持、かんがい用水の補給、水道水の補給、水力発電の役割があり、私達が生活していくうえでとても大切なものだと改めて知りました。普段みられない所にも入ってダムの構造を見せていただいたのは、とても貴重な体験でした。
旭川大学事務局入試広報課員  稲場 亜由美(いなば あゆみ)
最初に忠別ダム建設事業所で説明を受けた。忠別ダムは複合ダムとして日本一の規模で、ダムを作る材料は、川底にある物を利用するので山や川をキズつけることも無く資源を有効に活用していたり、道路の排水溝に落ちた小さな虫や生き物が地上に上がれるようにスロープを付けたりと、自然環境にも色々な工夫をしていることがわかった。 実際に、現場についてまずダムを作ってる機器やダンプの大きさに驚きました。監査廊は階段を下ったり上ったりと迷路のようで出たときは方向感覚が無くなっていました。川下から見た重力式コンクリートダムはあまりの高さに、私たちが“コビト”になったような気になりました。色々な場所からダムを見学して、とても貴重な体験をすることができ楽しかったです。完成した忠別ダムも見たいです。
旭川大学地域研究所研究員 旭川大学教授 金子 昌(かねこ まさし)
 忠別ダムは、私が事前に予想していた、コンクリートを打ち込んで全面的に川を塞き止めているもの、とは違っていた。このダムは、コンクリートによって固められた提体を中心に据え、そのまわりに自然の材料である土砂、岩石を積み上げたフィル・ダムの複合構造になっているだということであった。事務所でのビデオと説明後に、ダム現場へ見学にいった。このダムの前面(背面?)全体を見わたして、まず連想したのは奇妙にも古憤の姿であった。眼前に存在しているものは、現代科学の知見と現代技術の枠を集めて作られているダムなのにである。これは、フィル・ダム部分を覆う石が、覆石に覆われた古憤の姿と重なったからだと思われる。この感じは監査廊の見学のために岩盤部分まで降りて、監査廊の中を歩いているときにも生じた。何だか古憤の蒼ケを玄室へ何かっているように感じたのである。もちろん蒼ケの中は真暗であろうが、監査廊の中は明るく、また玄室へではなく、出口へ無事についたのであるが。 現代科学の産物であるダムを見学しながら古憤の姿を想像するとは・・・・。
旭川大学地域研究所研究員 旭川大学教授 浅田 政広(あさだ まさひろ)
800メートルに及ぶ地下の狭い監査廊は、ここがフィルダムの最基部だと思うと圧迫感のような緊張にとらわれ、事務所長の説明を聞きながらも、足は自然と急ぎ気味で出口を求めていた。バスで仮水路のトンネルを上流から下流に抜け、バスを降りて、完成後には放水の緩衝池となる場所から振り返ってみたコンクリートダムの巨大さには畏怖の念さえ覚えた。しかし同時に、本当に必要な施設なのか疑問もわいた。旭川市の将来人口を過剰に見積もっていたり、1984年の当初計画では870億円の予算が変更に次ぐ変更でいつの間にか1630億円になっていたり。アメリカでは不必要なダムの撤去がすでにおこなわれている。忠別ダムは大丈夫だろうか。現代のシジュフォス労働にならなければよいのだが。
旭川大学地域研究所研究員 旭川大学教授 梅谷 俊一郎(うめたに しゅんいちろう)
 建設過程で大規模ダムを見学できて大変貴重な経験だったと思う。多目的ダムは飲料用水の確保、潅漑、治水といろいろな恩恵をもたらしてくれることがわかったが、そのコストについてもっとくわしく知りたいと思った。また、このダムには魚道がないときいて疑問を感じた。下流にも魚道のない堰がいくつもあるとのこと、魚族になり代わって苦情を言いたい。 
学校法人旭川大学専務理事 戸水 功(とみず いさお)
 数十段もの階段を喘ぎながら地の底へ辿りつくと今度は横方向への涯しない隧道が待っていた。天井から染みでる滴りと、足元の溜水を避けながら私達は黙々と所長の後に従った。処々に作業の方達がいて、お互い「ご苦労様です」と軽く会釈するのが心地よかった。一日の大部分この地底で働くことを業いとしている人達に、私は心底から感謝しました。ダム監査廊まで入って見学したのは初めてである。総工事費1,600億円、年間維持費は6億円ほどかかるという。それは想像に余る巨溝であった。委曲を尽した説明に充分感謝はしたが、ふと、これだけの巨費を投ずるのなら、例えば厳冬の旭川を少しでも快適に過すインフラに投資できないものかと思ったのも事実である。大雪山系の多くの泉源から溢れる温水を街に引いて融雪槽や融雪溝を造り、雪の無い街と除雪費の削減とを図ることは出来ないのだろうか。識者の意見を聞きたいものである。
NPO石狩川サミット職員 川本 妙子(かわもと たえこ)
今までダムを見たことはありましたが作業中の現場を見学したのは初めての事でした。始めに、フィル部と呼ばれる所に大きな石がびっしりと積み上げられてあるのに圧倒され、監査廊に入ると、セメントミルクを注入すると言うことを聞かされ、実際機械も見てきましたが、地盤によって色々と工夫しなければならないので、地盤の調査も大変な作業だったろうと感じました。又、最後には、ダムの水が放水される第2堰にも入ってダムを真近に見上げることが出来ました。完成した時にもう一度見に行ってみようと思っています。とにかく、圧倒されるばかりでしたが、かなりの経費もつぎ込んでいる様です。完成すると維持費が年間約6億かかると言う事でした。平成18年に完成予定で昭和61年からの大規模工事です。今は、脱ダムが騒がれている世の中です。私達の税金を無駄にする事なく、地域住民の為になる様、切に希望してやみません


☆最後に記念撮影

撮影スタッフ

(右)中根 実   地域研究所事務室長 
(中)稲場 亜由美 入試広報課員
(左)佐藤 恵理香 地域研究所事務室員


旭川大学地域研究所事務室長  中根 実 旭川大学地域研究所事務室員 佐藤 恵理香
人間やると思えばやれるということの見本のような日本最大規模の忠別ダムを見学した。 完成後は決して見ることのできないダムの底、さらに底の下にある監査廊も併せて映像として記録できたことは、時代の目撃者として感慨深いものがあります。 ダムの功罪意見の分かれているいるところでありますが、人間が本当に進化向上するためには、智慧をもって乗り越えなければならないハードルの一つであると思います。 カメラには納まりきらない程、大きい重力式コンクリートダムの撮影時、普通のレンズでは、かなり離れた場所ではないと全体撮影できなかったのが、魚眼レンズに替えだけで離れなくても全体撮影でき、魚眼レンズのすごさに感激しました。 今回はあいにくの曇り空でしたが、完成した時には、青空をバックに撮影したいです。