きんもくせい

金木犀

 

 

あの人が嫌いだという金木犀を抱きしめに行く夕陽さすみち

 

 

空っぽのからだが欲しい空っぽのこころはひどく場所をとるので

 

 

「赦し合うことなんかでは終わらない入り口以外に出口はないの」

 

 

耳鳴りは運命の人が吹く笛の音と信じた頃も 押入れの奥

 

 

こうじゃなくアスタリスクのようにこそ愛されたいのと叫ぶカンガルー 

 

 

ご不要なレシートはこちらへの箱を君にみたてて練習していた

 

 

最後まで傷つく勇気なんていらない君の手が刃を握っているから

 

 

なおらない鏡の向こうをじっとみて君の不在を確かめる癖

 

 

飽きっぽい鯨が見ている夢だから 毎日だれかが死んでいくのは

 

 

賛美歌を次々うたう由佳さんの上の星々背の下の星

 

 

そしてあの人は今日も来ないので私は下ノ本屋ニオリマス

 

 

 Kazuhisa UETUKI

 

 


april@yubin.co.jp

 

 

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